4月から厚木市消防本部の消防長に就任した 川野 正則さん 厚木市上落合在住 55歳
「市民の生命と財産守る」
○…今年は火災、救急出動が近年にないペースで発生するなど、就任当初から厚木市消防本部の組織力強化に向けたかじ取りに全力を注ぐ。職員に向けた訓示では、「プライドとスピード感を持ってことにあたることの大切さ」を力強く呼びかけた。「市民の生命と財産を守る」という使命感を抱きながら、31代目となる厚木市消防の消防長という職責を全うする。
○…若いころに街なかで遭遇した交通事故の救急現場で、救急隊員の迅速で的確な対応を目にし、「手際よく救護活動を行う姿を見て、すごいなと思った」。厚木西高校を卒業後に民間企業で2年間勤め、厚木市消防の採用試験を受けた。消防大学を卒業後は南毛利分署に配属され、消防士としてのキャリアを歩み始めた。
○…南毛利分署では24時間勤務の中、交代で行う夜と朝の食事作りが思い出深い。「実家暮らしだったので米のとぎ方も知らなかった」というが、「先輩に教わりながら献立も自分たちで決め、天ぷらやとんかつを揚げたりカレーライスを作ったり。おかげで今も料理は得意」と笑う。火災現場への出動など、駆け出し時代に体験した業務の一つひとつは消防長となった今もゆるぎない土台となっている。
○…妻との食べ歩きや自分でコーヒー豆を挽いて楽しむ一杯が、休日のささやかな楽しみ。二男一女を育て上げ「1人くらいは消防の道を継いでほしかったかな」と残念がるが、身命を賭して仕事と向き合う姿を見せられたことが誇らしい。厚木市消防では、SNSなどを活用しながら親しみやすさを大切にした広報活動を展開。「もしもの時には、必ず私たちが助けるんだという信念を持ちながら、業務に邁進(まいしん)したい」と力を込めた。
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5月16日