厚木・愛川・清川 人物風土記
公開日:2026.09.11
24日からアミューあつぎで写真展を開催する報道写真家の 森住 卓さん 厚木市三田出身 75歳
伝え続ける執念のレンズ
○…世界中の核汚染地や紛争地を取材してきたフォトジャーナリスト。9月24日からアミューあつぎで、報道写真家としての50年の集大成となる初の地元写真展「風下の人びと」を開催する。展示数は350点にも及ぶ。「22歳で厚木を出て以来、ふるさとに貢献してこなかった。自分がこの半世紀、何をしてきたのかを報告したい」と開催への熱い思いを語る。
○…三田生まれ。三田小、睦合中出身。写真との出会いは小学6年生の時。姉のカメラを借りてシャッターを押したのが始まりだった。遊び場だった近所の清源院に中学校の先生が下宿し、押し入れを暗室にしていた。「そこから強烈な酢のにおいがしたことや、先生に撮ってもらった写真が自身の原点」と振り返る。その後、東京写真大学(現・東京工芸大学)に進学し、印刷工学を学んだ。
○…大学を中退後、新聞の写真部員を経て、30代前半でフリーに。以来、全ての費用を自費でまかない、自らテーマを決めて現場へ赴いてきた。最初に手掛けたのは広島の高校生たちによる被爆した瓦を集めた「原爆犠牲ヒロシマの碑」建設の取材。取材費や生活費を稼ぐため、学校のアルバム制作を請け負う「代写」なども行いながら、雑誌に売り込んで発表の場を切り開くなど泥臭く活動を続けてきた。
○…温和な語り口とは裏腹に、心に強い芯がある。自らの信条は「しつこく、諦めない」。沖縄の基地反対運動を取材する中で、現地の「負けても諦めなければいつか勝てる」という姿勢から学んだ。「カメラを持たないと怖くて不安になるが、シャッターを押すと怖くなくなる」と笑う。75歳になった今も、しつこく、深く、ファインダー越しに社会の真実を世界へ伝え続けている。
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