聴覚障がいのハンデを乗り越えてソフトボール審判2種資格に合格した 岡村 眞一さん 上土棚在住 52歳
努力を重ねて今がある
○…先ごろ行われたソフトボール2種公認審判員認定会において聴覚障がいのハンデを持ちながらも見事に合格を果たした。綾瀬市ソフトボール審判協会で3種審判員を務めて3年。審判委員長の薦めもあって挑戦した認定式では筆記試験に加えて模擬プレイでの正確な判断なども評価され、難関を突破。今後は県大会や関東大会まで活躍の場を広げることが可能になった。「今でも信じられないが、これからは県の大会などでもお役に立つことができるのが嬉しい」と真摯な表情で喜びを表す。市ソフトボールクラブ協会には現在5人の2種審判員が在籍しているが、聴覚障がいを持ちながらの2種審判の誕生ははじめてのこと。
○…審判として活躍を始めたのは3年前。3歳時の高熱により聴覚障がいとなったが、テレビのプロ野球で中継で観た審判の「かっこいい姿」にずっと憧れの気持ちを抱きながらソフトボールと共に歩んできた。2008年には同じ障がいを持つ仲間を集めてソフトボールのチームを作り、市の協会にも登録してプレイも楽しんだ。しかしやはり目指すは審判。周囲の反対もあったが努力を惜しまず夢への歩みを止めることはなかった。「通常はボールがバッドに当たる音やベースを踏む音などで判断することも多いが、私は自分の目で見たものだけを信じて判断する」と厳しい表情の中「次は1種資格に挑戦です」と意欲をみせる。
○…昭和36年、熊本生まれ。小学校からろう学校で寄宿舎生活を送る。高等部を卒業後、就職の関係で神奈川へ。現在では自動車メーカーに勤務するかたわら県の聴覚障がい者協会の理事も務め、様々な施設で音声情報に視覚情報を加えるバリアフリー問題などの調査にも携わる。趣味はドライブ。「エンジン音はわからないが風を切る感覚が好き」と笑顔をみせる。次の夢は?の問いには「70歳まで審判を続けたい」と輝く表情をみせた。