菊花展で市長賞を受賞した 土屋 和民さん 吉岡東在住 67歳
失敗をおそれず前を向く
○…3度目の出品になるあやせ文化芸術祭・菊花展において作品「太平の銀峰」で市長賞を受賞した。120作品の中でも輪形が大きく、花に元気があった点が評価された。「苦労がむくわれた感じです。運もあったと思うし、自分へのご褒美だと思っています」と謙虚な口調で受賞の喜びを話す。また、昨年から菊づくりの指導をしている近くの小学校からの出品作品も小学生の部で市長賞を受賞。二重の喜びの中「毎年が失敗の連続ですが今年こそ、より大きな花を咲かせたい、という思いだけで頑張ってきた」と淡々と話す姿が印象に残る。
○…今年は特に夏の猛暑もあって菊の生育には過酷な状況だった。そんな中で一番気を使ったのは本審査のある日に、一番良い状態にもっていくこと。自ら作った腐葉土を使い、自然災害にも対応しながら菊の育成に励む毎日。「盆栽などは形になるまで年数が必要だが菊は一年一年が勝負。失敗しても来年こそは、という思いがある。その分、成功した時の気分は最高です」と笑顔をみせる。
○…昭和21年、長野県に生まれる。小さい頃から花を身近に育ったが、特に菊の美しさには格別なものを感じていつかは自分で作ってみたい、と思うようになったという。30代の頃、会社の同僚からもらった苗がきっかけで菊づくりに夢中になり30年が経過した。台風シーズンなどは自宅の風呂場に菊を避難させることもあり「家族の協力がなければここまでは出来ませんでした」と苦笑い。
○…39年には就職の関係で東京へ。その後、同郷だった奥さんと結婚し、49年に綾瀬に居を構える。「昔から土いじりは好きだった」と話し、綾瀬の地とは相性が良いようだ。3月から11月は菊作りのシーズン。「そこをはずすと旅行のシーズンオフになってしまうが、そろそろゆっくりと旅行でも…」。息子さんと娘さんはすでに独立しており、現在は奥さんと二人暮らし。