綾瀬市防火協会の会長に就任した 仲村 邦弘さん (株)ベレイマージ代表取締役 76歳
企業の意識が地域の安全守る
○…防火協会は市内144の事業所が所属する。主な取り組みは、普通救命の講習会や危険物取扱責任者試験の準備講習会、火災予防のための講習会など。10月には消防本部で実施する「初期消火競技大会」も控えている。5年間務めた副会長時代には、協会設立30周年の節目も経験している。「会長職は大役だけど、何とか果たせているかな」と笑顔を見せる。
○…会社設立当時、防火協会のことを知らなかった。もともと東レの社員で定年前に独立したため、個人として消防や協会に関わる機会がなかったためだ。ガソリンスタンドを営んでいた増田石油の紹介で防火協会に入会し、法人会や商工会も教えてもらい次第に地域に溶け込んだ。協会の存在すら知らなかった企業が、今では優良事業所表彰を受けるほど高い防火意識を有している。
○…「(株)ベレイマージ」は、屋外広告などプリンターを使う大型カラー画像の企画・制作を行う会社。東レ時代に出稿先で携わったこの仕事が面白く、定年を待たず独立した。出向先では1年で1億弱の売り上げを2倍に伸ばしたやり手でもある。趣味も多彩で、アウトドアなものが多い。ゴルフや夫人とやっていたテニスは腰を悪くしやめてしまったが、学生時代の仲間との山歩きと、指導者資格を持つというボーイスカウトに参加するなど充実した日々を送る。
○…最近市内で発生している企業火災は、全て協会未加入企業。企業が地域の安全を守るという社会責任を果たすため必要な防火意識。この実践に重要な役割を担う協会員が目減りしている状況に、危機感を抱いている。「火災は、人命はもちろん、思い出も財産も全て燃えてしまう。これを防ぐために会員増強は急務。任期中に2割は増やしたい」と意欲を覗かせた。