清川村の宮ヶ瀬湖ほとりにある宮ヶ瀬ビジターセンターが2016年3月31日に廃止となる。神奈川県が財政健全化対策として県有施設の将来の方向性を示したロードマップに沿ったもので、県では村や地域の意見を聞きながら廃止後の活用方法を調整している。
東丹沢や北丹沢に生息する動物や植物のほか、周辺地域で発見された化石や特徴のある鉱物など、多彩な自然を紹介する同センター。1986年に開設され、様々な展示のほか、独自の体験イベントなども開催し、年間で6万人を超える利用者がある。
小学校の社会見学などでも、宮ヶ瀬ダムと共に同センターを訪問する事が多く、日頃から使う水がどのように蓄えられているかと同時に、ダムと自然の関係を知ることができる場として活用されている。これら団体での利用者は、県内各地から年間2500人以上が訪れるという。
一方で、維持管理の予算は年間で約2100万円(2014年度予算ベース)。県では厳しい財政状況を受けて財政健全化を進めており、2013年2月、県有施設の方向性を示す「ロードマップ」を作成。このなかで、運営コストや施設としての役割などを踏まえ、ビジターセンターを集約・廃止する方針が示されていた。
このロードマップに則り、県が所有する同様の施設では山北町の丹沢湖ビジターセンターと相模原市緑区の陣馬自然公園センターが2015年3月末で廃止される。これに対し宮ヶ瀬のビジターセンターは、宮ヶ瀬やまなみセンターや水の郷商店街など周辺に施設が多く、廃止後の利用方法を検討するため、廃止の時期については「平成27年度以降に検討結果を踏まえ対応」となっていたが、今年2月に出された最新のロードマップでは一部機能を他の施設と集約化し、ビジターセンターとしては廃止する方針が出された。
県ではこれまでに清川村や民間団体などへ利用を持ちかけたが、維持管理のコストなど調整は難しく、ビジターセンターは廃止される見込みで、既存の建物は2016年4月以降「宮ヶ瀬やまなみセンターの別館」として使用される予定だ。県では「これまでの自然を紹介する施設としての役割をどのように引き継ぐか、展示の内容など、今後は村や地域の声も聞きながら検討をしていく」という。
清川村では「村としてもできる限り県と協力して、地域活性化につながる利用法を一緒に考えていきたい」と話す。
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