愛川町職員の自主研究グループによる研究成果発表が5月14日、町役場で行われた。愛川町では毎年、町職員が様々な町の課題について研究を行っており、今年は若手職員29人が3グループに分かれて研究を行った。
この自主研究は、職員の自己啓発意識の高揚を図ることを目的に1998年から行われている。毎年テーマは様々で、事務職から保育士、消防職、技術職など幅広い職員が参加する。
今年は、小野澤豊町長から町の重要課題である「人口減少」について「若手の意見を聞きたい」と要望があり、入庁1〜2年目の若手職員に絞って行われた。
参加した職員は「少子化対策」「定住促進」「地域活性化」のグループに分かれ、昨年9月からほぼ毎月1回、業務時間外に会議やメールなどで意見を交わし、報告書をまとめた。
他市町事例やアンケートも
「少子化対策」のグループでは、町立保育園を利用する保護者に「実現してほしい施策は」などのアンケートを実施。この結果、既に実現している施策を保護者が知らないケースが見受けられた。グループリーダーの足立原渉さんは「町のPR不足があるのでは」と分析する。そこで、妊娠から子育てまでの情報を周知する方法の提案として、情報をまとめた冊子「レディプラ」を作成した。
「定住促進」のグループでは、定住促進の先進的な自治体の事例を調査した。
千葉県流山市の「共働き世帯に絞った支援策」や、佐賀県武雄市の「指定管理者制度を活用し町の施設を魅力的な観光施設にする施策」、徳島県神山町の「空き家バンクを活用し、空き家をアーティストのアトリエに」など、様々な事例を報告書にまとめた。グループリーダーの宮崎宏規さんは「『自治体がここまでやってもいいんだ』という驚きがありました」と話す。
「地域活性化」のグループでは、庁内若手職員のアンケートで意見としてあがった「町の目玉がない」という点に着目し、豊かな自然や程よい高低差を活かしたサイクリングイベントの実施を提案した。
この他にも、他の自治体の事例から「子育て支援の充実」「企業誘致」を報告書に盛り込んだ。グループリーダーの冨田和寿さんは「アンケートではなかなか厳しい意見もありました」と苦笑する。
これら研究結果の発表を受け、小野澤町長は「いずれも解決の難しい問題についてよく研究できている。これからも斬新な視点で提言を寄せてもらいたい」と話した。
過去に自主研究に参加した部署では、事務のレベルアップを目指し自主的な研修を定期的に行うなど、職員の意識向上につながっているという。
今回の研究参加を振り返って冨田さんは「愛川町の様々な課題を解決するために、町の現状や情報を、私たち職員がもっと良く知らなければいけない。その重要性をとても感じました」と話した。
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