愛川中原中学校で5月28日、三増の合戦まつりを再現した騎馬戦が行われた。同校体育大会2・3年生男子の演技種目として企画されたもので、黒の北条軍と赤の武田軍が手に汗握る熱戦を繰り広げた。
同校では昨年まで体育大会の男子演技で組体操を行っていた。31年目を迎えた今年は新たな試みとして、騎馬戦を行うことになった。
小学校高学年で行うこともあって騎馬戦は馴染み深いが、演技として「魅せる」要素を加えようと、地域に縁のある三増の合戦まつりをモチーフにすることに。
三増の合戦まつりは、1569年に三増峠で行われた北条軍と武田軍の大きな合戦にちなみ、毎年行われているもの。
まつり実行委員会に協力をあおぎ、入場の流れや戦い前の口上、軍勢の配色など演出面でアドバイスを受け、甲冑も借り受けた。当初は大将が甲冑を着る案もあったが、着脱の時間なども考慮し麦わら帽子を改良して自作したという。
また、勝敗についても、小学校で行われる「取った帽子の数」ではなく「大将の兜を取った方が勝ち」にすることで、生徒たちの戦略や戦いの情勢が観客に伝わりやすくなった。大会では、3回戦のうち先に2勝した方が勝利となる。
初戦、両軍は両大将を中心に円陣を組み、守りを固める。武田軍の遊撃隊がじりじりと牽制しながら北条軍の大将に詰め寄り、混戦になった一瞬の隙を突き武田軍が勝利した。
第2戦では、負けられない北条軍が先にしかけ、武田軍がやや後手に回る展開に。円陣に乱れが出ると、またも両軍入り乱れる混戦に。時に互いの大将同士がぶつかる熱戦となったが、乱戦を制したのは再び武田軍。2連勝で勝利を決めた。
武田軍大将を務めた梅澤壮良君(3年)と北条軍大将の美月赤彦君(同)は、小学校も同じ幼馴染。守りを固める作戦は「練習で思いついた」と梅澤君。練習試合でもいい結果が出ていたという。同じ陣形を取った北条軍だが、美月君は「このままではいつまでも終わらない」と、攻める選択を貫いた。お互いに合戦まつりに行ったことがないそうだが、「興味が出てきた」と笑顔。同校の中村正校長は「新たな伝統種目として、次年度以降も取り組んでいきたい」と話す。
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