愛川町教育委員会が11月6日と13日、国登録有形文化財である「古民家山十邸」を活用した文化財セミナーを開催した。古写真をテーマにした初の企画で、大学教授による講演や町古写真調査会会員によるスライドショーが行われた。
山十邸は、明治初期における豪農の住居の姿を示すものとして愛川町が修復・保存し、2009年に国有形文化財に登録された。
今回のセミナーは、山十邸を活用した文化活動の一環として企画され、2日間で延べ26人が参加した。
6日には「古写真を未来に残す」をテーマに講演が行われた。写真表現や画像保存、写真史を専攻する東京工芸大学の吉田成教授が講師となり、古写真の内容から場所をあてる古写真クイズを楽しんだ。また、写真の発明エピソードや、古写真の保存状態についての解説も行われ、参加者は写真の理想的な保存法など見識を深めていた。
13日は、愛川町古写真調査会の中間報告として、町内を撮影した古写真のスライドショーが行われた。
同調査会は、2014年に町文化財保護委員を中心に組織され、町に関する約7千枚の写真を収集し、調査・整理を行っている。毎年9月の半原糸の里文化祭にあわせて、町郷土資料館で定期的にパネル展示を行うなど、調査の結果を公開している。
この日は、同調査会会員である大矢善久氏が講師を務め、明治末期から昭和50年頃の約100枚の写真を地域ごとに紹介。参加者は木橋の石小屋橋や竣工当時の半原水源地、海底橋渡り始めなど、貴重な風景を撮影した古写真を楽しんだ。大矢さんは「町内にはまだまだ貴重な古写真が残されている可能性が高い。世代がかわると処分されてしまうこともあるので、処分されてしまう前に相談してもらえたら」と話す。
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