「さくらの名所100選」に数えられ、桜樹2千本を有する衣笠山公園。昨年の台風15号の影響により全体の3割で枝折れや幹折れが見られ、20〜30本程度が根が浮き上がり倒木するなどの被害があった。
2018年4月から同公園の管理を行っているNPO法人グリーンクラブでは、埋め戻しできる樹木については穴を掘って修復。それでも、大きな樹木や被害により修復が難しいものは伐採したという。例年、花見のスポットとなっている「下の広場」や「上の広場」では、折れた枝の処理などを行ったが、その他のエリアでは樹木が大きく、現在も処理することができずに残っているものが点在している。
樹勢衰退食い止める
台風の影響を受ける以前から同園の桜は樹勢衰退が問題視されてきた。同園の桜は、約100年前から植えられており、そのほとんどがソメイヨシノ。寿命は60〜80年ほどといわれており、老朽化が深刻化している。また、開花を妨げる伝染病「てんぐ巣病」やキノコの発生などによって弱体化も進んでいる。
同法人では、樹勢回復に向け、土壌改良剤の入ったチップ撒きや、枯れ枝や折れ枝・幹の処理、切り口の腐敗を防止するため殺菌剤と墨を混ぜた液を塗布するなどの対策を実施。また、成長具合や花・葉のつき方などを記したカルテを作成し育成状況を調査しているほか、樹木医を呼び植樹や樹勢回復のためのアドバイスを受け実行。継続的な世代交代を計画し、若い苗の植樹も行っているという。
撮影した今月17日には桜のつぼみが膨らみ始めており、開花までもう間もなくだという。同法人の熊野清美さんは「今年は樹木が負担を負い危機感を持ったのか、つぼみの数が多いように思う」と話した。
※今月26日から予定されていた「衣笠さくら祭」は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い中止が決定している。また、感染拡大防止のため、飲食を伴う宴会等の自粛を求めている(散策等は可能)。
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