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横須賀・三浦 人物風土記

公開日:2026.04.03

団長を務めた横須賀市消防団が「令和7年度消防団地域貢献表彰」を受賞した 宇内 正城さん 横須賀市長坂在住 69歳

  • 宇内 正城さん (写真1)

真心で築いた地域防災の礎

 ○…「数年でいいから頼むよ」。地元の先輩の誘いを受け、36歳で入団した消防団。特別な決意があったわけではないが、真面目で献身的な性格から、火災発生の知らせが入るポケベルを最大音量にして枕元に置く生活が始まった。三浦半島では土砂災害が多いことを危惧するなか、2020年に逗子市で高校生が犠牲となった斜面崩落事故が発生。心を痛め、「いち早く現場に駆け付けて命を助けられるように」と、横須賀市消防局へ重機を寄贈した。これに飽き足らず、重機の資格を有する団員による土砂災害機動部隊も立ち上げるなど、地域防災強化に心血を注いできた。

 ○…現場で重視したのは「消防局との連携」だ。職業とボランティア、立場は違えど命を守る志は一つ。緊迫する現場で「あうんの呼吸」を刻むため、日常の合同訓練を重んじた。プロと歩調を合わせ、団の役割を果たすことに力を尽くした33年間。建設会社を営む傍ら、常に街の安全を最優先に走り続けてきた。

 ○…趣味は考古学研究。同じく愛好家だった父の影響で、小学生の頃から地元出身の研究者である故赤星直忠博士の発掘調査に同行するなど、遺物採集の魅力にのめり込んだ。土器の破片に開いた穴を見つめ、「壊れても紐を通してつなぎあわせていたことが伺える。昔から日本人は物を大切にしていたと感じるんです」。縄文人の息遣いに触れるロマンあふれるひとときが楽しい。

 ○…この3月で退団を決意した。周囲の惜しむ声に後ろ髪を引かれつつも、「地域防災の持続的な向上には次代への継承が不可欠」とバトンを託す。重責を全うし、「久しぶりに考古学の調査に没頭したい」。そう語る横顔に、長年の緊張を解いた穏やかな笑みが浮かんだ。

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