三浦半島 草花歳時記 第51回 半常緑低木「オオバイボタ」 文・写真 金子昇
「オオバイボタ」は三浦半島の海沿いに生育する高さ2〜5mの半常緑低木(葉の一部は落葉せず常緑のまま年を越す木)で、この時期には球形で黒紫色の果実が実っています。
三浦半島から北へ行くにつれて、オオバイボタの生育は少なくなり、それに代わり「イボタノキ」が多くなっていきます。横浜市内で見られるのはほとんどイボタノキです。
6〜7月頃に白い小さな花(花序は10〜20cm)をたくさん咲かせ、甘い香りを発散させて虫を引き付け、花粉の媒介に働きかけます。
枝は多く分枝するため垣根に利用され、またいろいろな動物の形に刈込むのに適しています。樹皮にはカイガラムシ類のイボタロウムシが寄生し、ロウを分泌するので、このロウを固めて家具のつや出しや民間薬(強壮剤等)に利用されています。材質は堅いので、印鑑や杖等に使われています。
よく似たイボタノキは、高さ2〜3mの落葉低木で、花序と葉(長さ2〜5cm)は小さく、枝は灰白色(オオバイボタは灰褐色)です。
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