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「対話テーマに乗り越える」 災害対策や公共施設再編に決意

社会

掲載号:2020年1月1日号

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インタビューに答える山梨町長
インタビューに答える山梨町長

 新年の幕開けにあたり、本紙は山梨崇仁町長にインタビューを行った。3期目のテーマや今後の課題、特に力を入れていきたい分野などについて聞いた。(聞き手=本紙編集長・関口雄貴)

 ―――昨年末、無投票で3選を決めました。

 「選挙は政治家としての評価をいただける機会。それまでの仕事に対し、『ここはダメ』『こうするべき』という声をいただけなかったのは残念です。政策論争ができなかったので、広く町民の皆様の声を聞くため、来年度はタウンミーティング開催に力を入れます。3期目のテーマは『対話』です」

 ―――これからの4年間で特に力を入れていきたいことは。

 「昨年の台風15号、19

号によって停電対応や避難所の受け入れ態勢に課題があることが明らかになりました。今まで想定していなかったもので、対策を急ぎます。具体的には、『停電防災対策計画』の策定です。すでに東京電力と話を進めており、情報共有の面などで方向性も見えてきました。停電が起きても、なるべく早い復旧ができるよう町と電気事業者で協力しあえる体制作りを目指します。

 また、ペットの避難についても、しっかりと向き合う必要性を痛感しました。どちらもおそらく、他の自治体では前例のない試みですが、『停電も災害』『ペットも家族』という基本的な考えのもと、台風が来る今夏までには町としての方向性をお示ししたいです」

 ―――公共施設整備について教えてください。

 「『みんなの公共施設未来プロジェクト』と題して現在、各施設の利用状況と、施設そのものの調査をしています。2月の議会で報告する予定です。2014年に作成した『葉山町公共施設白書』で、現在の公共施設を現状のまますべて維持する場合、今後40年間の大規模改修及び更新費用の総額は326億3千万円という試算がでました」

「山の魅力発信したい」

 ―――年間でどれくらいかかるのでしょうか。

 「年間の更新費用は8 億 2千万円ですが、直近5年平均の投資的経費4億 7400万円の 1・7倍の負担となり、3億4600万円不足するという大変厳しい数字です。これは、国基準の計算式を用いたものだったため、より実態に即した数字を出そうと具体的な調査をしていますが、費用の規模は大きくは変わらないでしょう。

 しかし、ピカピカな新しい建物ではなく最低限の安心安全を出発点として、建物の長寿命化を図ることが現実的な方策と考えます。まずは修理や改修を考え、利用者の方々と協議の上、建て替えや再配置を想定するというように、段階を踏んで考える必要があります。全国各地の自治体と同様、公共施設を維持していくための負担は計り知れません。議会や町民の皆様にデータをお示しし、現実的かつ具体的な施策に向けて議論を進めていきたいです」

 ―――昨年6月に給食センターの建設候補地が決まりました。

 「来年21年に建設着手、22年夏の稼働を目指しています。町立小学校4校の給食調理場を同時に廃止して、町立小中学校6校に給食を配ります。このセンターは公設公営で、現在各校の調理場で働く職員がセンターに移る形になります。建設から50年近く経っている学校もあり、昔ながらの衛生基準で作られていることから、現場の努力で二重、三重にも点検、配慮を重ね、衛生やアレルギー対応の安全が保たれています。現場からも『このままで良いのか』という声が上がっています。新しいセンターになれば採光・防湿・通風の確保のためのドライエリアを設けるので、より安心・安全で、美味しい給食を子どもたちに提供できます」

英国チームをサポート

 ―――いよいよ東京五輪が夏に開催されます。

 「町役場会計課職員の小曽根亮さんが、やり投げでパラリンピック出場を目指して頑張っています。役場として最大限サポートするとともに、パラスポーツが広まるきっかけになったらと期待しています。

 英国セーリングチームはまた夏前から町に滞在すると聞いています。今回は本番なので、英国チームが競技に集中できるよう、必要な配慮があれば支えていきたいと思います。今のところ、町内の学校訪問は予定しています。例年7月に開いている花火大会については現在開催の可否を検討しています。来月までには実行委員会を開き、決定する予定です。

 今回の五輪で世界最強といわれる英国チームが合宿地に選んでくれたことは後世にわたって葉山の誇りになるものと思います。これをきっかけに、『日本ヨット発祥の地』を広く発信しつつ、町民全員が1度はヨットに乗り、親しんでもらえるような仕掛けを続けていきます」

 ―――山の整備と魅力発信について教えてください。

 「先の選挙で、葉山の『山』の魅力を発信することも掲げました。これまでの実績は、町民からなる葉山の魅力を高める実行委員会が『食』と『山を楽しむ』をテーマに地場産品を使った料理教室の開催や、木古庭にある棚田の復田をしてきました。この復田に際し、小学校で募集をかけたところ、70人以上の親子が参加。ご飯を炊いてワラでしめ縄作りも体験しました。子どもたちはもちろん、親御さんからも好評で、『来年以降も継続的に続けて』という声をいただいています。

 また、敷地内には広い原っぱもあるので、イベントやキャンプなど山に親しめる拠点になり、町の新しい価値の創出に繋がることを期待しています。特にキャンプについては、なるべく早く体験できるよう、後始末やゴミ、トイレについてのルール作りに着手します。その上で、環境や教育の分野で活躍する町内のNPOなどに委託し、運営できればと考えています。町民の方に山を楽しんでもらえる環境を作ることが目的です」

 ―――4年後の町について、どのようなビジョンをお持ちですか。

 「計画通り進めば給食センターが建ち、クリーンセンターの再整備が完了しています。人口は微減傾向で、税収が大きく増加する見込みはありません。二つの整備事業には目途がつきますが、学校や福祉文化会館など手を加えなければならない施設はたくさんあるという厳しい状況になっています。しかしその都度、皆様と情報を共有し、議論の声をひとつずつまとめ上げて課題の解決に向け進んでいく覚悟です。

 また、『山』の魅力を掘り起こし、広める取り組みを軌道に乗せることができていれば嬉しいです。さらに、五輪を契機に町内の団体と連携し、国際交流が身近で海外と繋がる町になっていれば、町の良さに磨きがかかると思います」

 ―――最後に町民へメッセージを。

 「役場として町民の皆様と繋がりあい、この町を一緒に好きでいていただける取り組みを続けていきます。『問題を共有すること』『面と向かって対話すること』というキーワードを大切に職務に励む所存です。

 この町に住む人が楽しんで過ごせることが私の目指すまちづくりの理想です。そして、町民が葉山で楽しく暮らす姿そのものが、何よりこの町の魅力発信、ひいては発展に繋がるものと信じています。一緒に葉山好きを作っていきましょう」

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