逗子・葉山 社会
公開日:2026.11.06
通称、森のキャビア―。フィンガーライム、ご存じ? 小坪出身の鍋島さんが逗子の名物化へ奔走
半分に割って、中身を押し出すと、宝石のような輝きとともに、華やかな酸味をまとった果粒があふれ出る――。
オーストラリア原産の果実「フィンガーライム」を栽培し、逗子の名物化へ向けて奔走する女性がいる。ワクワクプラント株式会社(逗子市逗子)代表の鍋島亜裕子さんだ。
「おしゃれさ、逗子っぽい」名物化へ乗り出す
フィンガーライムは、品種によるが、全長4cm〜10cmほどになるミカン科の柑橘類。果肉は球状で「森のキャビア」とも称される。国内では、高級食材として一部の飲食店などで料理のアクセントや飾りつけとして流通しているが、「全世界的にまだ栽培方法が確立していない」と鍋島さん。その供給量は希少で、国内でも一大産地が無い現状を踏まえ、「逗子の新たな名物に」と動き出した。
同社は「食育・植育・職育」を掲げ、農園芸栽培や園芸資材販売を行う。約3年前に資材店との会話でフィンガーライムの存在を知り、独特の食感や香りの良さに魅了されたという。同時に頭に浮かんだのが、生まれ育った逗子のことだった。
「近隣の市町には広く知られた名物があるけれど、逗子は海以外の印象が少し控えめ。市の雰囲気に合う、おしゃれな名産品になるのでは」と直感した。
生産の主役は市民
とはいえ、逗子には広大な農地が少ない。そこで鍋島さんが着目したのが、限られた場所でも育つ「鉢植え栽培」の強みだった。
思い描く構想はこうだ。原産地の苗木を仕入れる国内の事業者から鍋島さんが調達。それを参画する市民に行き届かせ、自宅の庭やベランダで育ててもらい、実った果実を地域の飲食店などに売る-。家庭菜園の延長で誰もがプチ農家になれる循環型の仕組みだ。
「自分で収穫した実がまちの飲食店で使われたり、お小遣いになったりしたらワクワクしませんか」と鍋島さんは目を輝かせる。
栽培を断念させないための工夫として、開発した栽培支援AIアプリや、情報交換できるオープンチャットコミュニティを通じた伴走支援にも力を注ぐ。
市内のレストランなどからは「手に入らないので仕入れたい」といった確かなニーズも感じているという。
同社は、(株)キリガヤと共同で「2027年国際園芸博覧会」への出展も決定しており、現在は一時的に大和市に圃場の拠点を移している。「みんなで育てて楽しむ仕組みをつくりたい。逗子の名物として、広げていけたら」
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