県は1日、新型コロナウイルスに感染し、自宅などで療養していた人の症状が悪化した場合、搬送先の医療機関が決まるまで酸素投与による応急処置ができる専用施設を県立スポーツセンター=善行=に設置すると発表した。病床逼迫時に備えた暫定施設で、開設時期は未定。新型コロナに対応した専用施設としては全国初という。
名称は「かながわ緊急酸素投与センター」。陸上競技場の観客席下にあり、大会時に役員室や本部室として使われる屋内スペースを活用する。
全体面積は約1200平方メートル。うち約190平方メートルに病床を設け、最大24人を受け入れる。医療機関ではなく、一時的に患者を受け入れる宿泊施設の位置づけで、原則1日程度の受け入れを想定。災害派遣医療チーム(DMAT)や救急救命士の資格を持つ県職員ら約20〜30人が対応にあたる。
開設の基準について黒岩祐治県知事は同日の会見で「新規陽性者は減少傾向にあり、ただちに開設するものではない」とした上で、「感染が急拡大し、病床の逼迫状況などから必要だと判断すれば2、3日後に開設できるよう体制を整える」と説明。県立スポーツセンターを開設場所に選んだことについては「県立施設であることに加え、県中心地に近く患者の搬送が容易」と述べた。
翌2日には報道関係者などに施設を公開。入口そばまで救急車が乗り入れることができ、屋内には酸素吸入機やベッドがある療養室のほか、ナースステーション、事務室などを備える。酸素飽和度が低下した患者に看護師が酸素濃縮器を使って処置し、体調管理するまでの一連の様子もデモンストレーション形式で紹介された。
この日視察に訪れた黒岩知事は「今後感染者が急増した場合に安心の大きな砦になる」と同センターの意義を強調。鈴木恒夫藤沢市長は「今後も県と市と役割分担をしながら対応していきたい」と述べた。
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