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公開日:2024.01.26

「ランドセル譲ります」
地元事業が子育て世帯支援

  • 譲渡会を企画した貝塚さん(中央)と支援に訪れた岡田麻衣さん(右)、さくらや川崎店の金川知美さん

 愛着のバトン、次はあなたに――。新年度を前に小学校に通う子らにリユースのランドセルを贈る無償の譲渡会が23日、藤沢市役所で開かれた。全国で学生服の回収・販売を行う「さくらや」の藤沢店(鵠沼海岸)が家計負担の軽減になればと市の社会実験事業を活用し初企画。店主の貝塚直美さん(48)は「一人でも多くの子どもたちに笑顔で登校してほくて」とほほ笑む。

 貝塚さんはさまざまな事情で学生服が買えないといった悩みを抱える家庭の支援を展開するさくらやの事業に賛同。「せっかく働くなら社会貢献を」と昨年1月に藤沢店として起業した。

 学生服のリユースを進める中、「新学期を前にランドセルも足りないのでは」と着想。「思い入れもあって捨てられない人の手助けや、使っていた子どもたちが物を大切にすることを学ぶ機会にもなる」と譲渡会の開催を決めた。

 ブログやインスタグラムなどを通して12個が集まり、中には使っていた子どもから次に使う子どもに向けた「大切に使ってくれたらうれしい」と手書きのメッセージも。「寄付する、される双方の思いに応えられる」と実感したという。

 今回は9個が新たな持ち主の手に。双子の子育て中の保護者から「とても助かります」と感謝の言葉も寄せられた。

 市のSDGsパートナー企業で、市の公共施設を活用するトライアル・サウンディング(社会実験)も活用。視察に訪れた和田章義副市長は「貧困や環境問題の解決につながることはもちろん、温もりのある素晴らしい取り組み」と高く評価した。

2月13日にも

 次回は2月13日(火)午前11時から。同会場で実施予定。当日は幼稚園から高校の制服や体操服の寄付も募る。寄付された学生服は査定額を子どもの未来応援基金に送金。貧困を救う活動に役立てられる。イベント詳細、寄付受付けは同店ホームページで。

 藤沢市では、経済的な理由で就学が困難な市立の小中学生に学用品費や給食費を支援。市によると対象者数は2022年度で約4100人。市立全児童生徒数の12・1%にあたる。5年前は同4948人で14・6%で改善傾向にあるが、解消はされていない。

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