任期満了に伴う藤沢市長選が11日に告示され、新人で元県議の国松誠氏(62)、新人で政治団体代表の相原倫子氏(63)、現職で4選を目指す鈴木恒夫氏(74)=届け出順=が名乗りを上げた。各氏の主張や人柄、重点施策などについて紹介する。
国松誠氏
ケアラーの視点が原点
子育て支援の目玉施策として小中学校の給食費無償化を掲げる。背景は、かつての経験だ。
9歳のとき、福岡から辻堂に移住。ほどなく最愛の母ががんを患い入退院を繰り返すように。幼い妹の世話をしながら家事全般をこなした。「ヤングケアラーという言葉はなかったが、厳しい現実に直面した」。高浜中学校で試験導入されていた中学校給食のありがたさが身に染みた。
藤沢西高校時代はラグビー部のレギュラーで競技漬けの日々を送った。明大在学時には友人の誘いで雄辯部に所属。弁論の面白さに目覚めた。
その後、自民党学生部に入部し、政治の世界へ。故・藤井裕久元財務相の秘書を経て、29歳のときに藤沢市議選に初当選。2007年には県議選に転身しそれぞれ4期16年を務めた。
藤沢市長選への出馬は、32年務めた議員生活の集大成と位置付ける。「自分を育ててくれた藤沢市のために働きたい」。その思いが自らを駆り立てる。
相原倫子氏
生活者目線の市政必要
生活者目線、女性目線の市政を訴える。看板施策に掲げるのは市民の困りごとを政治課題として市長が直轄で対応する「暮らしSOS-110番」。「市民のための透明な政治を実現したい」と意欲をにじませる。
大学を中退後、学生のときから関心があった太陽光発電分野の取材記者として活動。パネルを作る版下作りから専門技術も一通り学んだ。
女性の生活相談や復職支援にも長年携わった。「不景気で可処分所得が減り、女性が厳しい状況に置かれている」。問題を広く訴えようと2018年、社民党に入党。19年には藤沢市議選と参院選に出馬した。鳩山由紀夫元首相が立ち上げた共和党の準備段階で政策立案の立場で参加も。
年齢を鑑み、「新人として選挙に出るのは最後」と満を持して名乗りを上げた。すでに社民党を離党しており、完全無所属・無党派の「左右横断型市民派」を掲げる。
藤沢で2男2女を育てた。趣味は小学生以来続けている編み物。
鈴木恒夫氏
郷土愛あふれる藤沢に
「郷土愛あふれる藤沢。松風麗し湘南の元気都市」。市長に就任して以来、一貫して掲げてきた都市像だ。
藤沢に生まれ育ち、自らが人一倍の郷土愛を自認している。「藤沢のためなら何も厭わないという強い気持ちでがんばってきた」。出陣式のあいさつでも開口一番は地元への愛着だった。
29歳のとき、藤沢市議選に立候補し初当選。4期16年務めた後、県議を5期17年を務め、2012年に市長選で初当選し3期12年を務めた。
市議時代から信条は変わらない。ただ、議員と首長で異なるのは自らの発想が議決を経れば政策として執行されること。「結果として市民が喜んでくれるのが一番のやりがい」と振り返る。
年を重ねてからは立候補に先立ち、次の4年間の職責を果たす気力と体力を自らに問いかける。意気軒高と確信を得た。
気分転換はウォーキング。食事のバランスや睡眠時間にも気を付ける。妻が手作りする弁当も健康を支える源だ。
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