藤沢 経済
公開日:2026.08.21
異業種からの挑戦も手応え
醸造所が開業1年
地域活性化をもたらす新たな資源として注目を集めるクラフトビール醸造所の開業が、湘南エリアで増えている。藤沢の南仲通りで誕生して1年を迎えた醸造所併設レストラン「藤沢ビールハウス」は、異業種からの挑戦と地域密着の仕組みでローカルビジネスの成功例を示しつつある。
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運営するのは、本町で理化学製品の開発・販売を手がける(株)バイオクロマト。飲食業界出身で料理と接客を担う店長の川合亮さんと、元自動車整備士の経歴を持つ醸造担当で工場長の原田昇さんらが切り盛りする。
「整備士もブルワーもマニュアルや設計図があり、機械と誠実に向き合う根本的なプロセスは似ている」と語る原田さん。未経験からのスタートだったが、茨城県のブルワリーでの醸造体験や独学、社外研修を経て、着実に自身の仕込み技術を確立させてきた。
「冬場や長雨の時期には客足が落ち込む日もあった」と川合さんはいうが、まめなSNSでの発信や口コミの広がりで認知度が向上。直近の7月には月間約1200人が訪れる人気店へと成長を遂げ、利用客の過半数は女性が占めている。
循環経済と食中酒
同店が掲げるのは「地域の中でつくる循環型経済」。ビール醸造で生じる廃棄麦芽を宮原の相原農場へ提供し、有機肥料として無農薬野菜の栽培に活用されている。そこで収穫された旬の野菜を同店が買い取り、料理にする仕組みを構築した。
さらに地元の精肉店やパン屋、網元直送の生シラスなども料理に採用。資源循環と環境負荷低減を同時に達成している。
多様なフレーバーが流行する中、あくまで同店は「料理に寄り添う王道でクラシカルな食中酒」を追求する。癖を抑え、クラフトビール初心者や女性でも食事と楽しめる味わいを大切にする。
7月末にリリースされた5作目のビール「夕凪」は、南ドイツ伝統の黒ビール「デュンケルヴァイツェン」。50%以上使用した小麦のクリーミーな泡と香ばしさ、炭酸で重さを和らげ、キレの良いすっきりとした後味を実現した。
現在では市内外の10数店へ商品を届けている2人は「卸先店舗の拡大とさらなる知名度の向上を目指す」としている。
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