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公開日:2026.08.21

「藤沢産の藍」使って酒造り 地域連携で年内商品化へ

  • 乾燥させた藍を吟味する川西さん(右)と守谷さん=いずれも守谷さん提供

    乾燥させた藍を吟味する川西さん(右)と守谷さん=いずれも守谷さん提供

  • 藍の農園にたたずむ(左から)宮崎さん、守谷さん、渡貫さん

    藍の農園にたたずむ(左から)宮崎さん、守谷さん、渡貫さん

 藤沢産の藍を使用した酒造りが現在、市内で進められている。本鵠沼に本社を構え、不動産・経営コンサルティング事業などを展開する(株)ユニバースフロンティアと「鹿児島最古の焼酎蔵」と言われる創業1869年の白金酒造(株)による協同プロジェクト。日本伝統の藍の新たな価値を地域から生み出そうとする取り組みで、今年12月までに商品化を目指している。将来的には地元の名産品として広く普及、定着を図りたい考え。

結集する力

 プロジェクト始動のきっかけは、天然藍と左官技術を融合させた「藍左師」を名乗り、唯一無二の作風でアート制作や空間デザインを手がけている本鵠沼在住の守谷玲太さんだった。文化交流のため2021年に徳島県を訪れ、日本で古くから藍染めの原料として使われてきた「タデ藍」(阿波藍)の栽培や品種育成を現地で学んだ守谷さん。タデ藍の葉から水に溶け出す色素成分を利用し、抽出、沈殿させて作る「沈殿藍」の研究に長年尽力してきた元徳島県立農林水産総合技術支援センター上席研究員の吉原均さんや徳島県立城西高校教諭の川西和男さんとの出会いもあり、あらゆる藍の活用法を習得し、翌年から藤沢での藍栽培が始まった。

 第二次世界大戦中は食糧増産のため、栽培が禁止された歴史を持つ藍だが、高倉の花農家「花工房渡貫」の渡貫直正さんとともに現代に受け継いでいる。一年草の藍は6月頃に発芽した種を定植。肥料は亀井野の日本大学馬術部から提供された馬糞を活用している。昨年は雨量が少なく、また暖冬も重なり、収穫時期が1カ月ほど遅れるといった自然相手の栽培は困難も強いられるが、真夏の収穫時期には守谷さんの母校である藤沢翔陵高校の生徒らも手伝うようになるなど、地域で藍の育成に励んでいる。

茎に着目

 通常、藍染めには葉が用いられ、茎は廃棄される。そこに目をつけた守谷さん。茎には栄養価が豊富にあるため、仲間内でお茶にして嗜んでいたが、人との縁が広がって酒造りへとつながった。

 ユニバースフロンティア代表の宮崎芳文さんの計画では、初年度に約600本の焼酎を生産予定。「藍栽培の一つの形にできれば、これまで支えてきてくれた皆さんのモチベーション向上にもつながるはず。地域貢献から経済活動へ、持続可能な循環が生まれれば」と守谷さん。藤沢で育まれた藍と鹿児島の伝統的な焼酎文化が相まって生まれる一杯を心待ちにしている。

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