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「清流の女王」神戸川ですくすく成長中

文化

掲載号:2020年6月26日号

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神戸川で記者が遭遇した若アユ=6月16日撮影
神戸川で記者が遭遇した若アユ=6月16日撮影

 「川に小さな魚の群れがたくさんいる」――。

 6月中旬、腰越の住民から鎌倉編集室宛てに情報が届いた。その真偽を確かめるため、本紙記者はすぐに現場へ向かった。

 たどり着いたのは市南西部を流れる神戸川(ごうどがわ)。西鎌倉を水源とし、津から津西、腰越、そして海へとつながる2Kmほどの2級河川だ。

 午前11時、セブン-イレブン鎌倉津西店と腰越なごやかセンターの間に位置する場所から、川をのぞいてみた。確かに魚が至る所で群れている。その数はざっと見ただけで数百匹。

 身を乗り出してシャッターを切る記者の姿に、道行く人が怪し気に眉をひそめる。川面を指し、「この魚の正体を知りたくて」と状況を説明。「確かによく見るけれど、何の魚かは分からない」という回答がほとんどだったが、10人目に聞いた年配男性から「アユだよ」と教えてもらった。

 しかし、「清流の女王」とも呼ばれ、水のきれいな場所に住むとされるアユが、こんな住宅街のど真ん中の川にいるのだろうか。そこで、市内山ノ内で釣りに関するアドバイスなどを行う会社を経営する「魚の専門家」八鳥洋二さん(45)に話を聞いた。

市内随一の観察スポット

 「神戸川は市内で一番身近にアユを観察できる名スポット」と八鳥さん。

 八鳥さんによれば、毎年4月中旬頃に天然アユの遡上が一斉スタート。記者が見た6月頃は、稚アユからすくすく成長し、人に例えるなら「エネルギッシュな10代」といったところらしい。7〜8月になると、黄色の斑点が目立ち、縄張りを持つように。9月末〜10月初め頃には、産卵のため川を下る準備に入るが、この頃は動きが鈍く、サギやカワセミにとっては格好のエサとなり、近くで目撃するケースも多い。その後、小さな群れから数百、数千、数万匹まで増えていき、最終的には神戸川全域のアユが集結。海で産卵し、生涯を終える。

 八鳥さんは「神戸川の水辺をにぎわす美しい若アユの寿命はたった1年で短く儚い。何気ない散歩道が、今までにない輝きを放つ特別な場所に変わるかもしれない。身近な川に秘めた魚の世界をたくさんの人にも楽しんでもらえたら」と魅力を話してくれた。

アユを狙うカワセミ=八鳥さん提供
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