1月10日(日)に両国国技館で初日を迎える日本相撲協会大相撲初場所。茅ヶ崎市出身の序二段力士・足立和也さん(30・田子ノ浦部屋)と序ノ口力士・服部桜祥多さん(17・式秀部屋)を取材した。
足立 入門時から「大物」
円蔵出身の足立さんは2002年5月、父親の知り合いに紹介されて17歳で鳴戸部屋(現・田子ノ浦部屋)へ入門した。円蔵中時代にはバレーボール部に所属し、当時から体が大きく身長は183cm、体重も150kgあったという。入門時から足立さんの髪を結っている床山(二等)の床鳴さんは「当時、親方の住まいが稽古場の上階にあって、そこから大きな『モノ』が落ちてきたと思ったら足立だった。この大きな体で階段を転げ落ちてきたのに、怪我ひとつなくニコニコしていたので、『大物』で良い子が入ってきたなと思いました」と振り返る。テレビ中継で見かける程度だった相撲を始めて13年。これまでを「こんなに面白いスポーツに出会えたことに最大の喜びを感じます。場所を重ね、土俵を踏めば踏むほど奥が深い」と振り返る。
稀勢の里関の付き人
稽古のほか、部屋での足立さんの担当は多い。4日毎に当番が回ってくる「ちゃんこ番」のほか、毎朝毎夕の清掃、そして兄弟子の付き人任務。大関・稀勢の里の相撲環境を整える仕事は、足立さんを含めた付き人の3人が行う。稽古時に背中についた土を払うことや手形色紙の準備、外出時の付き添いなど。「自分は大関の2カ月後に入門したので、ずっと一緒にやってきました。その意味ではすごく近い存在ですが、大関ですからとても遠くにも感じます」。部屋では「だっち」と呼ばれる足立さんを、床鳴さんは「性格は髪と同じ、真っ直ぐで素直」と評し、部屋付き行司(幕下)の木村隆之助さんは「大きくて優しくて人気者」、弟弟子の淡路海さん(三段目)は「独特の濃さの味付けでちゃんこが上手」と続けた。
服部桜 度胸と根性で入門
本村出身の服部桜さんは2015年9月、現役時代に記念撮影をしてもらった式秀親方(元・北桜)を慕って式秀部屋へ入門した。梅田中時代に陸上部(長距離)でつくった手足は長く、身長は180cm。新弟子検査では同期の中で最長合格したが、反面、心配な体重はその場で水1リットルをがぶ飲みして70kgで通過した。兄弟子の宇瑠虎(うるとら)さん(番付外)は「私も軽量力士なので、一緒に体をつくっていきます。まずは吹き飛ばされない頑丈な体にならないと。『入門したい』と突然部屋へ来たときの度胸と根性があれば、頑張れるはず」と話す。梅小時代から相撲に惹かれ、中学卒業後に入門の意思を持ちながら16カ月も家族に言い出せずにいた。情熱を抑えきれず、家族に黙って一人で茨城県にある稽古部屋の門をたたき、今がある。「やっと入門できた。これからやるぞという気持ち」と意欲を語る。
特徴ある部屋
午前5時に起床し、朝食代わりのプロテインを摂取してから朝稽古に入る。一日2食生活の相撲部屋が多い中、式秀部屋は独特なスタイルをとる。筋力トレーニングの採用のほか、特徴的な四股名も有名。ウルトラマンから採った「宇瑠虎」、好きなアイドルの愛称を付けた「桃智桜(ももちざくら)」(序ノ口)など。「『服部桜』は、親方の現役四股名から一字もらったので大切にしたい。親方もおかみさんも、兄弟子もみんな良くしてくれています」。宇瑠虎さんは「自由時間には野球の話で盛り上がります。服部桜はオリックスが好きなんですよ」と教えてくれた。
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市内出身の2力士に面識はない。服部桜さんは「足立さんのことはずっと知っていました」と話し、所属部屋のことも調べたという。足立さんは「自分のことを調べてくれたなんて嬉しい。今まで近隣市出身の力士と聞くだけでも親近感を抱いていましたが、同郷力士は本当に勇気をもらう。一緒に頑張りたいですね」と笑顔。関取になった時に締めたい化粧まわしは2人とも「茅ヶ崎の海をデザインしたものに」と話し、足立さんは「怪我をしないように、少しでも番付を上げたい。茅ヶ崎で応援してくれる方への感謝は、それしかないですから」、服部桜さんは「関取を目指して日々頑張ります。茅ヶ崎の皆さん応援よろしくお願いします」と今年の抱負を語った。
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