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茅ヶ崎・寒川 人物風土記

公開日:2022.04.29

藤沢市にある高齢者施設で、作品展「三人展 春光」を開催している
岡田 嘉則さん
元町在住 68歳

発想は自然体から生まれる



 ○...「ようやく桜を描くことができた」。展示作品の制作を終えて安堵の表情を見せる。作品展のテーマ同様、描いた屏風のタイトルは「春光」。湘南地域の名所をディテールに、桜山を前面に押す華やかな屏風を完成させた。「これまで幾度となく『桜』の作品に挑戦してきたが、道半ばに終わっていた。納得できるぐらいのものができた」と息をつく。



 ○...幼い頃から絵画教室に通い、二科展のジュニア部門で賞を受賞するなど、当時から抜きん出た存在だった。その後も、流れのままに日本大学芸術学部に入学し、卒業後はデザインに携わる企業に入社した。30代からは多数の個展を開催。仕事、プライベート問わず、思い立てば作品づくりをしてしまうほど、芸術の道を歩み続けている。「思い返してみると、色々と習い事をやらせてもらった。その中で、絵画が得意だったということで、ここまで来た感じ」と微笑む。



 ○...東京出身。学生時代はライフガードやサーフィンにも時間を費やし、30代後半に海を求めて、茅ヶ崎へ。湘南祭のポスターデザインを手掛けるなど、地域活動にも尽力。遊びや仕事も日本のみならず海外にも飛び回り、やりたいことに全力を注いできた。現在も運動は欠かさず、自転車で海沿いを走り、SUPも楽しむ。「じっとしているのは苦手。色々見る方がアイデアが浮かんでくるし、純粋に楽しい」



 ○...絵を描くとともに秀でていることは"見たモノを記憶する力"。さまざまな作品の着想は頭の中にある素材から生まれている。「普遍的だけれども、現実にはない。それが人を楽しませる。作者ではなく、作品に価値があるかどうかが大事」と優しい雰囲気の中にプロのこだわりが垣間見られた。

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