道幅が狭い上にカーブが連続することから、歩行者の安全性が不安視されていた小出地区の「七曲(ななまがり)」にこのほど、歩道が整備された。10年以上にわたる地域からの県・市への要望が実ったもので、住民らは危険箇所の解消を喜ぶとともに、安全面と利便性のさらなる向上に期待を寄せている。
歩道が整備されたのは、本村交差点から藤沢市遠藤交差点までの茅ヶ崎市北部を縦断する「神奈川県道404号遠藤茅ヶ崎線」のうち、小出交差点から堤坂下交差点へと向かう「七曲」の約80メートル。
この場所は歩道の幅が50〜70センチメートルと狭く、大型車両がすれ違う際などに、歩行者と接触する危険性が指摘されていた。過去には児童が巻き込まれる交通死亡事故も発生している。
地元では元堤上自治会の会長で、現在は小出地区まちぢから協議会で役員を務める中尾俊之さんらが中心となって、約10年前から七曲の歩道整備に力を注いできた。
2015年には県と市に要望書を提出。17年には住民らの要望を受けて一部の歩道整備が完了したが、七曲の中でも最北端のエリアは、バス停があるほか、大型トラックなど自動車の交通量も多いことから、住民間では「七曲でも最も危険な箇所」とされていた。
ここは脇道にあたる市道にも接しており、県・市に要望する必要性があったことから、住民らは市議会議員、県議会議員の協力を得ながら、再三にわたって交渉を重ねてきた。
こうした要望を受け、県・市は安全性の確保や幹線道路であることを考慮し、歩道の整備に動き出した。工事をめぐっては、道路の拡幅に不可欠だった道に面する2軒の用地を買収。21年12月から整備工事が始まり、取得した用地を歩道に充てることで2・5メートルに拡幅した。地域住民からは「歩道の新設によって急だったカーブも緩和され、歩きやすくなった」と喜びの声があがっていた。
「市の魅力アップに寄与」
中尾さんは「小出地区では博物館の新設や遺跡の観光資源化など、今後は文化を発信する機会が増えていく。七曲の歩道が整備されたことで、安全性と利便性が高まり、地域の発展はもちろん、茅ヶ崎市全体の発展と魅力のアップにもつながるのではないか」と話している。
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