茅ヶ崎・寒川 社会
公開日:2022.07.01
「スローな関係」溢れるまちに
市民団体が冊子を作成
聴覚に障害がある人の地域や社会における問題を解決しようと活動する一般社団法人4Hearts(那須かおり代表)がこのほど、「スローコミュニケーション」に関する小冊子を作成し、配布を始めた。
生まれつき聴覚障害のある那須代表は、周囲が急いでいる時に筆談することに負い目を感じて必要な依頼ができないなど「日常のコミュニケーションに様々な不自由を感じてきた」という。
そこでたどり着いたのがスローコミュニケーションというコンセプト。スローは心のゆとりの意味で、「もしかしたら体調が悪いのでは」「障害のある人かもしれない」など、相手の立場や事情に寄り添った関係性を広げることで「誰もが生きやすいまちになるはず」と考えた。
冊子では茅ヶ崎市で聞こえに不安を持っている人がどれぐらいいるのかをデータで提示したり、「きこえない世界って?」と題して、スーパーやコンビニのレジでのやりとりなど、何気ない場面で「もし音がなかったら」を読み手が想像できる特集を組んだ。
神大との協働も
「今後はスローコミュニケーションをいろいろなものを掛け合わせて、まちのマインドを変えたい」と那須代表。
5月には子ども向けワークショップを開催したほか、市内商店街や神奈川大学との協働プロジェクトも進んでいる。特に神大とは、スローコミュニケーションに対応している店舗や施設をマッピングしたアプリの開発などにも取り組む予定という。
冊子は1500部を作成。茅ヶ崎市民活動サポートセンターや公民館などで配布している。
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