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茅ヶ崎・寒川 コラム

公開日:2022.09.02

連載Vol.7
世界が切り替わる魔法の言葉

 鍼灸師・カウンセラーの鈴木友紀子さんによる、人生を大きく変えた一言や救われた一言、それにまつわるエピソードと「言葉の持つ力」について紹介する連載コラムです。



希望をくれた一言 「なかなかいい仕事だろ!」



 私が23歳で盲学校に入った時、とても腐っていました。今更、鍼を学ぶなんて大変だけど、他にやれることもないから仕方がない。障害者になるのは嫌だけど、認めるしかないかと。



 けれど、実際入ってみると、そこは楽園でした。文字はとても大きく、授業は言葉や触感での説明が多い。当たり前です。目の悪い人たちのための学校なのですから。



 これまでどれだけ自分が頑張ってきたのかを痛感しました。



 そして、全盲の先生に言われた一言が、意識を変えました。



 「俺らはいつも人に頭を下げて暮らしてるけど、技術を身に付けたら、どんなお偉いさんも施術後『ありがとう』と言ってくれる。なかなかいい仕事だろ」



 別にありがとうが言ってもらいたくて何かをする訳では無いけど、どこに行ってもクビになり、社会のお荷物みたいな気持ちでいた若い私にとって、先生の言葉は希望でした。



 それから25年、「あの時の言葉を胸に毎日心を込めて施術してるよ!」と伝えた先生の顔は、とてもうれしそうでした。

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