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公開日:2023.09.15

東海岸南在住野村颯さん
自作ボードで世界へ
SUPサーフィン日本一

  • SUPは6'6(約198センチ)と短い板で、ショートボードのような動き、レールを入れたライディングスタイルが持ち味=本人提供

  • 萩園の工場で麻を使った板を眺める颯さん

 東海岸南在住の野村颯さん(21)が、9月3日に千葉県白子町で開催されたSUPサーフィン日本代表選考会「SUP&Paddleboard選手権大会」で優勝。フランスのサーブル・ドロンヌで行われる世界選手権に日本代表として出場する。シェイパーでもある颯さんは、自作のボードに新素材を用いて、世界一を目指す。

 颯さんは4年前、日本一は獲れなかったがエルサルバドルで行われた前回の世界大会に出場。ラウンド3で敗退した悔しさから「全日本優勝」が目標だった。

 今大会は2週間前に現地入り。車中泊して毎日海に入り、波の質を確かめて挑んだ。当日は風のある難しいコンディション。初戦は厚い波に板が合わず2位での通過となったが、板を変えてから調子が上がりファイナルまで勝ち上がった。

 決勝では「良い波を捕まえれば勝てる」と、波の優先権を使った頭脳戦に持ち込み、見事優勝した。颯さんは「攻めきれなかったが、その中でも良い波に乗れた。ジャッジがショートボーダーのジャッジ兼任で、深いターンをする自分のライディングスタイルを評価してくれたのも大きかった」と振り返る。

世界でも勝てる

 海から数分の所で生まれ育ち、「物心ついた時にはサーフィンをしていた」という颯さん。自宅前の「Hossiiサーフ&スポーツ」のクラブに入り、小学校入学前にはSUPを始めていた。

 また小5でボードシェイプに目覚め、中学2年で初めてボードを自作。「想像とは全然違う出来だったけれど、難しいから面白い」と振り返る。現在はボードシェイプに生かすため、湘南工科大学工学部で機械工学を専攻し、流体力学などを学ぶ。

 卒業後にはボード作りに本腰を入れていくつもりだ。父・将輝さんの助けもあり、2020年に往年のブランドの販権を得て、今年頭には萩園の工場が稼働した。将輝さんが精通するモータースポーツの技術を用いて、新素材の「麻」を使用し「振動を減衰し強度もあり、環境に優しい」という世界戦に向けたボードを製作している。

 初の日本一となり、「代表を勝ち取れ、板を作ったことが報われた」と喜ぶ。世界選手権に向けて「板の調子が良ければ勝てる」と自信をのぞかせた。

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