米国・ミネソタ州で7月に行われた一輪車の世界大会「UNICON(ユニコン)21」で、東海大学1年の内田岬希さん(19・茅ヶ崎市十間坂在住)が6種目で優勝した。予選、決勝を含め、獲得したメダルの数は金11個、銀1個に上った。
内田さんは小学5年生から同大会に出場しており、今回で4回目。
年齢別(17歳から18歳)のチャンピオンを決める予選で5種目に優勝すると、各部門のタイム上位8人で争われる決勝に進出。100メートル、50メートル片足、400メートル、800メートル、IUFスラロームの5種目と、日本チームで臨んだ4×100メートルリレー種目で優勝し、予選・決勝を合わせて11個の金メダルを手にした。
大会前、監督を務める父の重之さんと立てたレースプランは「記録よりもまずは1位を目指す」。記録を狙って全力を出すと落車する恐れがあるからだ。そのためにリスクの少ない安定した走りを徹底した。
日本にいる重之さんからSNSを通じて随時、戦術を送ってもらい、現地の天候や初めて対戦する選手にも注意しながらレースを進めた。「決して満足のいくタイムではなかったが、作戦通りにいったことは大きかった」。父との二人三脚で勝ち取った成果に手ごたえを見せる。
トラブル乗り越え
渡航直前、航空機の不具合で、予定より25時間遅れで出発する運航トラブルに見舞われた。乗り換えのために訪れた空港でも同様のトラブルにあい、宿泊先に到着したのは大会当日の午前1時過ぎ。会場の下見もできず、「ぶっつけ本番」で臨んだ。
「とにかく気持ちを切り替えることに専念した」と振り返る内田さん。会場に向かう途中、過去に対戦した経験のあるデンマークの選手の車に同乗させてもらうなど、さまざまな救いの手が内田さんの気持ちをやわらげた。「助けてくれた人たちに感謝したい」
次の世界大会は、2年後にオーストリアで開催される。内田さんは「次は世界記録に挑戦し絶対に達成したい」と決意をにじませた。
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