港版の道の駅といわれる「みなとオアシス」の登録を目指す大磯町で12日、大磯港周辺のにぎわい創出に向けた活性化策を考える講演会とパネルディスカッションが開催された。
市民活動団体や港湾利用者で組織する、大磯港みなとまちづくり協議会(岩田全弘会長)が主催した。
講演会では、国土交通省関東地方整備局の高阪雄一計画企画官が、愛媛県の八幡浜港や広島県の尾道糸崎港、静岡県の沼津港などの事例を紹介した。尾道糸崎港の「サイクリングポートみなとオアシス尾道」は、自転車道として人気のしまなみ海道を通るサイクリストを呼び込もうと、飲食店や物販店、自転車を運び入れられるホテルなどを整備。住民参加型の朝市なども開催し、みなとオアシス周辺のイベントだけで年間45万人を集客するという。
高阪さんは、みなとオアシスの形成要素として自然や食、農水産品、歴史遺産、イベントなどを挙げ、「大磯町にはこれらの資源が豊富にある」と説明。西湘バイパスなどの建造物で町並みと海が分断されている立地面を踏まえ、町なかからの動線にも考慮しながらみなとオアシス像を考えていくことが重要と話した。
後半のパネルディスカッションでは、みなとオアシスの展望について5人のパネラーが意見を述べた。
大磯町観光協会の石井晴夫事務局長は「相模縦貫道が圏央道につながり、県外からの観光客が着実に増えている。港に車を置いて1日楽しんでもらえるような仕掛けを作りたい。大磯市も、みなとオアシスを拠点に1年を通して開催できたら」と発言。大磯サーフィン協会の柏原亮介代表は「大磯は日本屈指のサーフスポットだが、食事や遊びの施設がないからサーファーがお金を落とさない。例えば飲食店やスケートボードパークなどの常設的な施設ができれば、シニアだけでなく若い人も集まる」と提案した。
パネラーとして参加した栗原匡賢大磯副町長は「観光政策の中で、港は重要な役割を持つ。みなとオアシスが町の発展につながると考え、町民の意見を反映させながら事業を成功させたい」と話した。
町は、老朽化した漁業協同組合の事務所建て替えに伴い、飲食店や物販店、市場などを併設する施設を核にした大磯港のみなとオアシス構想を掲げている。今年度は整備計画の基本構想策定を進めており、来年度以降に中核施設となる施設整備の準備を開始。2019年度のみなとオアシス登録を目指す。
みなとオアシス▽「港」を中心とした住民の交流、観光の振興などで地域の活性化を図ろうとする施設について、国土交通省港湾局長が登録している。全国に92カ所あり、大磯町のみなとオアシスが実現すれば県内初の施設となる。関東地方では千葉県館山港と木更津港、茨城県大洗港の3か所が登録を受けている。
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