全国教員柔道大会で神奈川県チームの選手として優勝した 田中 雄士さん 県立二宮高校教諭 29歳
熱い背中で教え導く
○…「昨年は準優勝の悔しさがあり、何としても勝ちたかった」。8月12日に都内文京区の講道館で開かれた第37回全国教員柔道大会(主催/公益財団法人全日本柔道連盟)。42都道府県対抗の5人制の部に神奈川県チームの次鋒として出場、優勝を果たした。教職に就いた時から7年連続出場している。4年前に続く2度目の優勝。ロンドンで男子柔道日本勢は初めて金メダルを逃す結果に終わったが、こちらは五輪イヤーに金星を飾った。
〇…7月まで首にコルセットを着け、直前の調整で大会へ。ところが兵庫県との準決勝で右肩を脱臼するアクシデント。それでも決勝の秋田県選手を引き分けに持ち込んだ。勝負への執念もさることながら、教え子の後押しも己を奮い立たせた。「『来なくていい』と言っていたはずの部員が来ていた。日頃、『痛い顔を見せるな』と教えている手前、棄権は格好つかなくて」と苦笑する。生徒に慕われている先生だ。
○…昨年、県立平塚江南高校から二宮高校に異動。柔道部がなかった二宮高校で生徒10人を集めて同好会を発足した。「彼らと畳を拭き、格技場を作った。創設に関わることができて幸せ」と快活な笑顔を見せる。同好会は1年間の活動を経て部に昇格。夏の県大会では部員2人がベスト16と32。「教員大会の勝利は、まだ実績がない二宮高校柔道部をアピールできるタイトル。これを弾みにしたい」と部の発展に意欲を燃やす。
○…広島県出身。中学で柔道を始め、東海大学付属相模高校3年でインターハイ優勝。猛者が集まる同大学時代は「互いがライバル。仲間が見ていない所でも練習した」。全日本団体戦優勝を果たす。つい最近、高校時代に監督と交信した柔道ノートを見つけたそう。プラスαの練習は当たり前。人から頼られる人間になれ。恩師から学んだ教えを今度は自分の背中で生徒たちに伝える。新婚の体育教師。秦野市在住。
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