大磯警察署長に就任した 加藤 登志夫さん 59歳
安全安心 実感できる町に
○…自身にとって初の署長就任に「安全・安心を実感できる町にするために、頼られる警察として一人ひとりが力強く、実行力を持っていかなければならない」と襟を正す。交番勤務から機動隊、駐在所、県警本部など様々な任務にあたり、災害時の交通規制計画などを担当する都市交通対策室では10年以上勤務した。「これで異動は18回目かな」と指折り数えて笑う。
○…北海道出身。大自然の中でのびのびと育ち「腕っぷしには自信があった」というわんぱく少年だった。「友達がいじめられているのを黙って見ていられない」という正義感の強さはこの頃から。子どもの頃から憧れのあった警察官の道を選んだ。40年以上続けているバーベルや100kgのベンチプレスでできた手のひらの固いタコは密かな勲章。自慢の腕力は今も健在だ。
○…神奈川県警第1交通機動隊に勤務していた時、東日本大震災が発生。その日のうちに被災地へ支援に向かい、6日間を福島県の相馬市で過ごした。「何度も起きる余震に原発…。大変でした。食べ物も少なく、寒くてね」と生々しい現場を語る。交通部隊として被災地入りしたものの、現地の警察から「捜索活動の協力を」と懇願され、捜索や救助に必要な特殊装備もないまま、瓦礫の山に挑んだ。生傷の絶えないなか、手元にあるものを寄せ集めで代用したという。「過酷な現場でした」と真剣な眼差しで振り返る。
○…40歳頃から歴史の本を読み漁り、石器時代から近代史まで目下勉強中だ。「旧吉田茂邸や六所神社、旧東海道。興味のあるスポットがたくさんある」と大磯散策を楽しみにしている。自宅は秦野市。夫人と3人の子ども、7人の孫が市内に住んでおり、よく会っていたという。署長就任を機に大磯町内の官舎に単身赴任中で、今は気軽に顔を見に行くのもなかなか叶わないという。「待機するのも署長の仕事だからね」と語る横顔は少し寂しげだ。
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