はだのっ子 いま・みらい 教育寄稿第35回 郷土を知り郷土に尽そう 内藤 美彦
夏は、高校野球で始まり、高校野球で終わると思っている人もいるほど、全国高校野球選手権大会は人々を熱狂させます。地方大会の時は、出身高校や地元の高校の勝利を願って応援するのが普通です。甲子園大会になると、肩入れをする対象校は、自分の住んでいる土地の代表校か出身都道府県の代表校となります。最近は、代表校の選手の多くが他県出身者が多いです。それでも、応援する気持ちは変わらず、試合毎に一喜一憂し、手に汗を握ります。
生まれ育った土地が取り結ぶ縁というものは不思議です。海外旅行で一緒になった人が、同じ神奈川県に住んでいるということで、言葉を交わす機会も多くなり、旅がいっそう楽しくなった思い出があります。秦野市に、県人会が16くらい結成されているそうです。自分たちを育ててくれた土地の自然や歴史などを共有していることが親近感を深めるのでしょう。県人会は故郷を偲ぶだけでなく、その想いが、生活の場秦野への愛を深めていくからこそ成立するのだと思います。
以前、バス旅行に参加した時のことです。長野県出身の方が「信濃の国は10州に 境連なる国にして…」と歌い「歌うたびに、秦野への思いが強くなります」と言われました。逆説的なので印象に残る言葉でした。
この歌は、明治33年に作られ、長野師範学校(教員養成の学校)で歌われていました。そこで学んだ人たちが教師として、長野県の各地に赴任します。その勤務校の子供に、その歌を教えたのです。それが親から子へ、子から孫へと歌い継がれてきました。
歌詞の内容は、長野県の地理・歴史や伝説から偉人の話まで織り込まれ、さながら郷土史そのものです。その郷土の特性が、自分にとっての誇りとなり、自信を与えてくれます。そして、生きる力の源となるのです。
秦野の地も、誇るべき美しい自然や古い歴史、伝説、人物などには事欠きません。それらの再発見、再評価を進めているサークルや住みたくなる温もりのある町づくりに取り組んでいる地域がいくつもあります。魅力ある町を創ることは、人づくりに繋がります。子供もこうした活動に参加させたいものです。自分の力で町が良くなる喜びを感得する行動をさせたいと思います。
■プロフィール
横浜国立大学卒業。秦野市立小学校教諭。秦野市立本町小学校校長。秦野市教育委員会教育長を歴任。
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田原ふるさと公園野菜直売研究所0463-84-1281/そば処東雲0463-84-1282 https://www.kankou-hadano.org/pointinformation/pointinformationguide/point_tawarafurusatokouen.html |
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