作家として横浜を舞台にした作品を多く手掛ける 山崎 洋子さん 南区在住 64歳
横浜の歴史に魅せられて
〇…ホテルニューグランドにまつわる秘話や山下公園、中華街などの歴史をまとめた『横浜の時を旅する ホテル ニューグランドの魔法』を昨年12月に出版した。横浜を代表するニューグランドは「横浜のあこがれの原点」だったという。マッカーサーや大仏(おさらぎ)次郎といった海外の要人や国内の文豪が愛し、横浜の貿易、文化の発展を支えたホテルがどのような経緯で生まれたのかを丹念に調べた。従業員らに取材を重ね、1年をかけて完成させた。「横浜に住んでいても歴史を知らなかったり、興味がない人が多い。そういう人に読んでもらいたい」と願う。
〇…天橋立で知られる京都府宮津市出身。子どものころ、まちの図書館で読みあさった海外ミステリーには、きらびやかな世界が広がっていた。「きっと横浜は、華やかなんだろうな」とあこがれを抱く。物を書く仕事がしたいとコピーライターを振り出しに、アニメや時代劇の脚本を書いた。「自己主張が苦手で、いろんな人から脚本に注文を付けられるのが嫌だった」と作家に。1986年、真金町の遊郭を舞台にした『花園の迷宮』で江戸川乱歩賞を受賞し、脚光を浴びた。
〇…15年前、野毛大道芸の前夜祭として行われていた「大道芝居」に出演。そこには、当時の高秀秀信市長など多くの著名人が出演していたが「肩書きは関係なく、誰でも受け入れた」ことで横浜が持つ寛容さを知る。開港150周年の際には市民活動を支援する組織の代表に。「何かを持っている人が多い」と市民力の強さを肌で感じる。
〇…5年前から横浜橋通商店街のそばで2匹の猫と暮らす。「化け猫の印象しかなくて今まで嫌いだった」という猫だが、知人から譲り受けて一緒に暮らすと愛着が沸いてきた。「横浜のディープな部分も知ったので、華やかさに隠された歴史をノンフィクションで書ければ」。執筆を通し、これからも横浜の歴史の奥深さ、楽しさを伝えていく。
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