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町田版 公開:2016年2月25日 エリアトップへ

町田天満宮 宮司 池田泉 宮司の徒然 其の10

公開:2016年2月25日

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ナンジャモンジャ

 近年の気温上昇はついに蜜柑を甘くした。蜜柑の産地である愛媛や和歌山では、秋の高温で蜜柑の甘みが増した一方で、早熟になって出荷量が減少。甘いかわりに少ないという残念なことが起こっている。最近メジャーになりつつある奄美大島のタンカンは、絶滅させたはずのミカンコミバエが台風で運ばれてきたらしく大発生。再来年まで柑橘類の出荷が停止され、7億円もの被害になるそうだ。

 世界的に流行の兆しが報じられているジカ熱は、デング熱同様にシマ蚊が媒体する。寒い時期の日本は今のところ心配はないが、暖かくなるまでに根絶されなければ不安要素だ。これも温暖化の影響で蚊の活動期間が延びている日本国内にウイルスが入れば、またシマカを退治するために公園の緑地などに殺虫剤を散布する騒ぎとなり、そのために害のない虫たちまで一網打尽。生態系に影響が出るのは必至だ。

 エジプトやタイが異常気象異常低温。雨が降らないエジプトではテレビやラジオに天気予報は基本無いが、カイロでは数十年ぶりに数えられない雨粒が降り、1月初旬に35度だったタイは1カ月で15度まで急降下。ダウンジャケットなど持っていないタイの人たちは15度という未知の気温で凍えているそうだ。日本人は35度以上だとまいってしまうが、タイ人は平気。反対に日本人が暖かいと感じる15度はタイでは耐えられない寒さなのだから面白い。いや、笑ってもいられない。植物も虫もそれなりに影響され、住処を変え必死に生きようとするのだろう。一番弱いのはもしかしたら人間かもしれない。

 毎年私は暖かな5月に相模原市の某公園に出掛け、ヒトツバタゴという木を眺める。晴天の暖かな日に白い花をたくさんつけるその木は、遠くから眺めるとまるで緑の枝に雪がかぶったように見える。その景色を見た昔の人が雪と見間違えてとても驚いたことから、別名「ナンジャモンジャの木」と呼ばれるという説もある。関西弁の「ナンボノモンジャー?」が似ていたので私は支持したが、本当は何の木だかわからないので「何の木じゃ?」や「何というものじゃ?」が語源らしい。しかし、今年は暖冬にありがちだとされる雪が降り、関東のベタ雪は多くの通勤・通学に影響し、たくさんのけが人も出た。まだ花を付けていないナンジャモンジャもさぞ驚かされたにちがいない。いや、雪よりも季節の異変に驚いているのかも、「この気候はいったい何じゃ!?」と。
 

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