久里浜田浦線 開通に大幅な遅れ 完成を5年延長「28年頃までには」
県が進める「久里浜田浦線」の道路整備事業で平成20年から工事がはじまった約1・2キロの「衣笠工区」は、開通予定の平成23年度を大幅にずれ込む見通しだ。担当している県土木事務所では計画と設計の見直しを図っているところで、「進捗状況は全体の2〜3割程度。開通までにさらに5年位を要する」との見方を示している。
「久里浜田浦線」の整備事業は、久里浜港を起点に田浦地区の国道16号線まで約12・7Kmを結ぶ幹線道路。現時点で事業化しているのは、横須賀インター入口交差点から衣笠インター手前までの約3・2Km。総事業費として352億円を計上している。衣笠十字路から池上十字路までの慢性的な渋滞緩和を目的としたもので、横浜横須賀道路へのアクセスの利便性も高まるとされている。平成5年から工事に着手、19年までに横須賀インター入口交差点から市道 金谷駿河坂線までの約2・0Kmが開通している。
最終となる「衣笠工区」は20年に着手。今年度中の開通を目指していたが、軟弱地盤と言われる「葉山層群」が工事区間の大半を占めるため、予定よりも大掛かりな擁壁工事が必要になっている。これに加え、土壌から検出された天然砒素の処分に時間が割かれていることも計画に遅れを生じさせている原因となっている。
さらに、同エリアは希少種とされるトウキョウサンショウウオの生息地でもあり、地元小学校から環境への配慮を要望する声が挙り、21年度から3ヵ年、卵の放生を行っている。「実態調査を含むこうした取り組みも予定外だった」と同事業の担当者は説明する。
地域住民から開通時期を確認する問合わせが多数寄せられていることから、見直し後の計画を近く公表する意向。「遅くとも28年頃までには工事を完了させたい」と話している。
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