マスターズ水泳で3度目の世界記録を樹立した 下野 育朗さん 遠藤在住 80歳
コツコツ積み重ね 世界新
○…9月3日に開かれた神奈川マスターズ水泳大会で、長水路(50mプール)200m個人メドレー80〜84歳区分の世界新記録を樹立した。タイムは前記録を1秒23上回る3分26秒23を記録。今年2月と4月の大会でも、短水路(25mプール)の200m、400m個人メドレーの世界記録を更新しており、今回は3度目の樹立という快挙となった。「素直に嬉しいけれど、自分が予想していた記録よりも少し遅かった」と満足はしていないようだ。
○…三重県の海辺の町で生まれ育った。7人兄妹の長男。子どものころは素潜りが得意で、サザエやアワビを獲り、特にタコを捕まえることが上手く「タコとり名人」と呼ばれていたという。高校では水泳部に所属。コーチが不在で、仲間たちと「古橋の泳ぎは手のかき方が上手い」「橋爪の泳ぎはかっこいい」などと見よう見まねで学んでいた。インターハイや国体にも出場したが「田舎だから大したことはない」と振り返る。
○…高校を卒業してからは泳ぐことはなくなった。就職した企業では総務を務め、身体を動かすこともなかった。60歳で定年を迎え、1日をどう過ごそうかと考えていたときに始めたのが水泳だった。「時間つぶしのため」と軽い理由だったが、毎日練習を重ね、大会にも参加する。1人で4種目を泳ぎ、技術もスタミナも必要な個人メドレーは、仲間に勧められ70歳で挑戦した。根が真面目な性格で、やり始めるとトコトンやるタイプ。一人コツコツ練習を積み重ね、大記録にたどり着いた。「水泳をやめようと思ったことは一度もない。日々の健康のバロメーター」と話している。
○…お酒が好きで、ほぼ毎日晩酌を楽しんでいる。試合前日でも欠かさないのだとか。「一番大切なのは身体の健康。水泳も無理をし過ぎると逆効果でリラックスも大切。これからは、自分の記録更新を目標にしていきたい」。自身の世界記録更新を目指す。
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