地域とデイサービス事業者との橋渡しをした「今泉台すけっと会」代表 伊藤 二郎さん 今泉台在住 76歳
地域一体の介護に尽力
○…「どんな些細なことでも、困った人を助ける」。そんな思いで発足以来活動してきたのが「今泉台すけっと会」だ。来月、同地区商店街に開設するデイサービス事業所と、地域との橋渡し役を担った。
○…3、4年ほど前に、「かまくら認知症ケア研究会」の勉強会で同会の稲田秀樹代表と知り合う。「前向きに取り組む彼の姿勢に感銘を受けた」と、当時を振り返った。そして昨年末、稲田さんから「新たにデイサービス事業を検討している」と聞き、すぐに声をかけた。地域に根ざした「すけっと会」のネットワークが大きな役割を果たし、トントン拍子に進む。テナントの大家さんとも意気投合、年内に場所が決定したという。
○…すけっと会は、発足12年目で、約50人のメンバーは30代から80代と幅広い。発足のきっかけは、仕事をリタイアしてすぐに参加した、男性のための介護教室だった。「大変さを痛感。介護する側も助けなければ」と活動にのめりこんだ。それまでは、会社人間で地域のことはさっぱり。地域の力を借りたいと、主婦層に多数参加してもらった。「まずは、自分たちを知ってもらうこと」として、当初は運営委員全員の名前、電話番号、住所などを公開、そうすることで地域に浸透していったという。
○…京都府出身で京都大学卒業後、大手商社の日商岩井(当時)へ。「鉱山を探していました」。50歳を過ぎ、インターネットサービスの先駆けニフティへ。副社長を務め定年後は、地域に入った。「まったく抵抗なかったですね」と笑う。今では、地元男声合唱団に参加、コーラスも趣味に。
○…今泉台の高齢化率は40%。10年後には、どこも同じ状況になるという。「だからこそ、地域で一体感を持った『介護』のシステムを実現したい」と語気を強めた。現在の介護の現状を「もっとオープンにして実態を知ってもらうべき。そうすればみんなに問題意識が芽ばえる」と指摘した。