鎌倉版 掲載号:2015年3月6日号

障害者の就労支援事業所「笑ん座カフェ」の代表を務める

伊藤 裕美さん

城廻在住 50歳

「生きてるだけで儲けもの」

 ○…知的障害や精神障害を持っていても、自分らしく楽しみながら働けるようサポートする事業所「笑ん座カフェ」を城廻に開いた。「キーワードは『障健混在』。このふたつの境界線をなくせるような、誰もが気軽に集える場所にしたい」と意気込みを語る。

 ○…名古屋市出身。幼稚園から大学まで「エスカレーター式」で上がり、卒業後は就職せずに「花嫁修業」に励んだ。その後お見合いを経て結婚し、3人の息子を出産。34歳の時、鎌倉に引っ越してきた。

 ○…次男の3歳児健診で「発達障害」と告げられた。大きくなるにつれて、突然パニックを起こし周りに馴染めない様子を見て「1人で思い悩み、追い詰められていた時期もあった」と当時を振り返る。しかし、周りのサポートや次男自身から学んだことで徐々に気持ちが変化していった。「彼は競争や数値に惑わされない。そんな姿を見て、周りと比べている自分に気が付いた」と話し、優劣ではなく個性と捉えたとき、障害を受け入れることができたという。その後、発達障害児を持つ親の会などで活動するようになり、啓発活動や親同士の勉強会など様々なイベントを企画・運営してきた。講演会のゲストを決めるときに、有名人の事務所に直接電話をかけて周りを驚かせたことも。「結婚するまで外で働いたことがないから世間知らずなんです」と笑いながら話すが、常識やイメージにとらわれない自由な発想と行動力は周りを勇気づけ、大きな力を生んでいる。

 ○…長男が生まれるまでの7年間、不妊治療で苦しんだ時期があった。様々なことを経験した今だからこそ「人間生きているだけで儲けもの。弱みは生きる強さに変えることもできる」と胸を張る。「多くの人に支えられて今がある。私や息子が受けた恩を、地域に返せれば」との思いは強い。獲得した「自由」と「強さ」を武器に、笑ん座カフェを引っ張っていく。

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