神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
緑区版 公開:2019年11月14日 エリアトップへ

〈連載【6】〉鳥畑与一教授に聞く カジノは負の経済効果 IRと横浜

公開:2019年11月14日

  • LINE
  • hatena

 横浜へのカジノを含むIR(統合型リゾート)誘致について静岡大学の鳥畑与一教授(61/金融論)に話を聞いた。



 横浜市が誘致するIRはMICE、宿泊施設などの面積が97%でカジノは3%以下。しかし、非カジノ施設の利益率は低く、高収益のカジノがないと成立しない。非カジノ施設を使って集客し、カジノに誘導するのがビジネスモデル。カジノで儲けるために97%の施設があるということだ。

市民負担の懸念

 林市長は誘致で年間1200億円の増収が期待できると話したが、納付金収入は事業者の粗利益の15%だ。この数字はカジノで8千億円近い儲けがないと達成できない。シンガポールのマリーナベイ・サンズの昨年の収益が約22億ドルなので、3倍強の規模。かなり背伸びをした印象だ。

 仮に売上が思惑通りだと、市民らが相当負け、ギャンブル漬けにならないとこの数字は成り立たない。一方、想定通りの売上がなかった場合は、事業者と結ぶ実施協定により、自治体が損失補填をするかもしれない。どちらにしても市民の負担となる懸念がある。

 カジノ客の8割は国内客と見られ、本来は地元で使われるべきお金がカジノに吸い込まれ、消費力が奪われる。また、事業者はIR内で安く宿泊・食事を提供する等の優遇サービスで客を囲い込むため、IR以外のホテルやレストランは価格面で不利となる。カジノはマイナスの経済効果をもたらす可能性も高い。

リスクの情報提供を

 アメリカの依存症調査によるとカジノ周辺地域の人ほど常習者になる。入場料の6千円はターゲットとなる中間所得層、富裕層などから見ればハードルにならない。依存症が増えれば、失業や家庭崩壊による生活保護費が増加するほか、犯罪が増えて治安維持費もかかる。これら社会的コストが、自治体の負担としてどのくらい転嫁されるのかも含め、負の影響を評価する必要がある。

 色々な問題を引き受けるのは市民。IR誘致でどんなリスクを負うか、市は情報提示し、議論して市民が判断すべきだ。
 

緑区版のコラム最新6

タイトルへ「我慢強く」

FLY THE FLAG横浜ビー・コルセアーズ

タイトルへ「我慢強く」

森井主将がダービーに意気込み

2月29日

「金沢動物園に辰はいるの?」

「金沢動物園に辰はいるの?」

金沢動物園 干支コラム

1月4日

今から始める相続の準備

「パン屋の課題を業界全体で解決」

トップインタビュー

「パン屋の課題を業界全体で解決」

株式会社ハットコネクト(中区海岸通)中島 慶 代表取締役

9月30日

会社と地域を元気に

会社と地域を元気に

神奈川県中小企業家同友会

5月27日

カウンセラー養成し15年

カウンセラー養成し15年

(一社)日本産業カウンセラー協会 神奈川支部

4月1日

開業23年 十日市場町の歯医者 みどり歯科医院

安心の保険診療が中心です。車椅子のまま乗降可能な専用車での無料送迎にも対応しています。

https://midoridc.net/

<PR>

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 1月18日0:00更新

  • 1月1日0:00更新

  • 4月20日0:00更新

緑区版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2024年3月14日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook