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戸塚区・泉区 人物風土記

公開日:2021.11.04

11月5日に東戸塚でボランティア講座を行う「横浜移動サービス協議会」の理事長
服部 一弘さん
上矢部町在住 58歳

「生きる、生きよう」

 ○…横浜市を中心に、高齢や障害のために外出が難しい人に対し、移動サービス団体を紹介する活動などを行う「横浜移動サービス協議会」。東戸塚地域ケアプラザで行う講座では、自身の35年におよぶ車いす生活について語る。「障がい者に対して常に親切にしてほしいとは思っていない。本当に困ってる人が目の前に現れたときに、『助けようかな』と思ってもらえれば十分」と淡々と話す。

 ○…鎌倉市に生まれ、小学1年生から戸塚で暮らす。22歳のときにバイクで北米大陸一周に挑戦。その道中で事故に遭い脊髄を損傷、車いす生活へ。「当時は障がい者への理解が深まっていなかった。死にたいと思うこともあったが『命が助かったのだから生きよう』と自分に言い聞かせていた」。35歳の頃、後に協議会をともに設立することになる前理事長と出会い「障がい者として扱われるのではなく、1人の人間として自立していたい」という考えのもと意気投合。新しく出会った仲間とともに翌年、三輪バイクで北米大陸一周の続きを成し遂げ、同じ思いを伝えていきたいと協議会を発足。

 ○…しかし試練は続き、49歳のときには脳出血で倒れ、下半身に加え右手も麻痺。会話にも障害が残った。それでも「生きる、生きよう」と自らを奮い立たせながら苦難を越え、数年前に結婚。現在は妻と愛犬との暮らしを楽しんでいる。

 ○…協議会とは別に精神障害者の自立を促す地域作業所の理事長も兼任するなどさまざまな顔を持つ。来年1月にはコロナ禍で延期していた協議会運営の就労継続支援B型事業所のオープンを控え、忙しい毎日だ。「障がい者が社会とのつながりを持ち、自立する一歩目を手伝っていければ」と目を細めて笑う。

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