戸塚区・泉区 社会
公開日:2025.11.13
横浜市
シニアの居場所に「ゲーム」
スポーツとして活用へ
横浜市は高齢者の社会参加と生きがいづくりの促進に、コンピューターゲーム等を使った対戦をスポーツと捉える「ゲームスポーツ」の活用を始めている。ボッチャやゲートボールのように普及を目指し、誰もがいつでも集まれる居場所の増加につなげたい考えだ。
市の若手職員によるトライアル事業として始まった”ゲームスポーツでシニアを元気にするプロジェクト”の一環による取り組み。福祉施設での体験出前講座の実施や機材貸出、イベント出展を通じ、昨年度の開始からのべ700人以上の高齢者が参加した。
ほとんどの参加者が「楽しかった」と感想を話し、「若い頃を思い出した」「久しぶりに大きな声で笑った」といった声を寄せているという。
世代も超え、楽しく
体験中は初対面同士がハイタッチし、会話が弾む光景が見られる他、耳の聞こえが悪い人や認知機能の低下がある人なども、参加者同士で自然とフォローし合い、助け合いながらゲームを楽しめるという。多世代交流イベントではシニアとキッズが対戦し、ゲームに世代の「ボーダー」はないと感じられたという。
若手職員らが目指すのはゲームスポーツをボッチャやゲートボールのように「高齢者を元気にするツール」として地域ケアプラザなどの福祉施設に普及させること。ゲーム機が1台あれば「誰でもできる」この方法を広め、各施設がレクリエーションとして取り入れることで「誰もがいつでも集まれる居場所」を作ることが最終目標だ。
担当職員は「チャレンジする姿には、周りの人間も勇気をもらえる。この体験が次のチャレンジにつながり、アクティブな高齢者が増えていけばうれしい」と話す。
泉寿荘の利用者も
10月24日には老人福祉センター菊名寿楽荘(港北区)に泉区の泉寿荘の利用者が招かれ、ゲームスポーツの対抗戦を開催。ボウリングゲームの得点を競い合った。
菊名寿楽荘チームの原毬子さん(90)は「機械を操作するのは難しいが、みんなでやると気力をもらえる」と話した。泉寿荘の吽野省三さん(82)は「練習では良い結果を出せるが、今日はダメだった」と悔しがり、「今後自治会でも取り入れたい」とした。
菊名寿楽荘の池畑要一副所長は「マンネリ化を避けるため、こうした対抗戦などで利用者を盛り上げたい」と話す。
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