中区はこのほど、中学生向けの防災冊子「地域防災拠点支援ガイド」を作成した。新学期に区内市立中学校に配布する。編集には港中学校の生徒2人が参加、4コマ漫画を盛り込むなど、中学生が読みやすい内容となっている。
災害時に避難所運営の担い手として期待されている中学生。今回の防災冊子は、その中学生に避難所である「地域防災拠点」について理解を深めてもらおうと企画された。
冊子はA4判、8頁のオールカラー。2千部作成し、区内市立中学校の2年生を中心に配布予定。4コマ漫画や基礎的知識のクイズ、アニメ風の挿絵など、中学生のアイデアを採用している。また巻末には区全域の地図を掲載し、すべての避難場所がひと目で分かるようになっている。
東日本大震災を受けて市内各地域では資機材の充実化や訓練の高度化などが進められてきた。一方、訓練参加者は高齢者が多く、資機材の運搬など災害時の地域の担い手確保が課題となっている。
そこで区は、日頃から地域にいて、ある程度の判断力と体力を持つ中学生に注目。これまで作成されてきた防災冊子「わが家の地震対策」や「防災よこはま」などがあるものの、内容が大人向けであることから、区は中学生に届く資料の必要性を感じたという。
防災意識の芽生え期待
区は昨年1月に区内中学生に、避難場所など防災知識を問うアンケートを実施。約400人から回答を得た。その結果をもとに市立中学校に冊子作成の協力を呼び掛けたところ、アンケートづくりに協力した港中学校との連携が決定。2人の生徒が編集に携わり、1年かけて冊子を作り上げた。
中区地域防災担当は「中学生にまずは興味を持ってもらいたい」と期待する。編集に携わった港中の新3年生、ブラウネル留果さんは「日頃、地域にいるのは高齢者ということに気付かされた」と冊子づくりを振り返った。また同じく新3年生の夛(た)田(だ)悠馬さんは「いざという時、自分たちがやらねばと思った」と防災意識を新たにしていた。
港中防災担当の國分英幸教諭は「中学生の感覚が盛り込まれた冊子。防災意識の芽生えになれば」と話していた。
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