鶴見区 人物風土記
公開日:2026.06.25
神奈川県神輿保存會の筆頭顧問を務め、半世紀以上道場祭を続ける 林 辰男さん 寛政町在住 74歳
人を繋ぐ神輿に魅せられ
○…神輿文化の発展に長年努めてきた。筆頭顧問を務める神奈川県神輿保存會には、県内各地の神輿保存会や同好会が名を連ね、県内最大の会員数を誇る。理事会は毎月、創設地である寛政町で開く。県内各地の祭りの情報を共有したり、主催するイベントの準備などを行う。「地域に伝わる神輿の伝統文化を次世代に継承していきたい」と前を見据える。
○…生まれも育ちも寛政町。子どもの頃はよく父に祭りへ連れ出された。当時は祭りで神輿を出す神社は少なかった。「酒に酔って暴れたり、危険な担ぎ方をする人たちがいて、敬遠されていた」と振り返る。それでも「神輿を担ぎたい」と神社を巡り、想いを伝える父の背中を見てきた。高校生の時に父は、安全に担げる担ぎ手を育成しようと寛政町に担ぎ手たちの道場を立ち上げた。
○…道場に集まる担ぎ手たちで同会を創設。約55年前には、潮田神社に大神輿を奉納した。「例大祭で神社の神輿を担ぐのが、父の念願だった」。例大祭の前日にも神輿を担ごうと始まったのが、同会主催の道場祭だ。毎年、湘南連合神輿保存會が応援に駆け付け、大神輿を担ぐのが恒例となった。「毎年欠かさず続けてこられたのは、たくさん集まってくれる仲間がいたからこそ」と笑みがこぼれる。
○…高校卒業後は、家業の土木建設会社に就職し、現在も会長として会社を支えている。休日は、県内外関わらずどこかで祭りがあると聞けば足を運ぶ、忙しい日々を過ごす。「もう担ぐことはないよ」と目尻を下げつつも、「神輿を通じて、多くの人と出会うことができた。この世界に導いてくれた父に感謝している」と穏やかな口調で話す。これからも神輿文化の発展のため、力を注いでいく。
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