鶴見区 人物風土記
公開日:2026.06.04
横浜・鶴見沖縄県人会の会長に5月24日付で就任した 並里 典仁さん 潮田在住 75歳
鶴見の沖縄を次代へ紡ぐ
○…伝統ある「横浜・鶴見沖縄県人会」の新しい顔となった。来年の同会創立100周年という節目を前に「伝統を大切にしながらも、南米にルーツを持つ若者なども含め、誰もが気軽に集える開かれた県人会にしたい」と、穏やかながらも力強く抱負を語る。
○…潮田で生まれ育った移住2世。戦前に沖縄の伊江島から渡ってきた父の背中を見て育った。若い頃は、大人が酒を飲んで騒ぐ県人会の雰囲気に馴染めず、自身のルーツを隠したいと距離を置いていた時期もある。転機は50歳を過ぎて訪れた父の死だった。葬儀の際、県人会の先輩たちが「よく来たな」と我が子のように温かく迎え入れてくれた。「家族のような温かさに触れ、いつか恩返しを」と、活動に身を投じる覚悟を決めた。
○…その後、10年間にわたり幹事長として前会長を支え、組織の運営に尽力してきた。特に心を動かされたのは、南米から移住してきた沖縄ルーツの若者たちとの出会いだ。2016年の青年部再建の際、彼らが「世界のウチナーンチュ大会」への参加を熱望。共に沖縄へ渡った際、彼らの故郷への強い愛着に触れ、かつて言葉も分からず苦労した父の姿が重なった。既存の枠組みにとらわれず、多様なルーツを持つ人々が共に集える場所づくりが、自身の使命だと確信している。
○…長年、語学専門の出版社で辞書の編集に携わってきた。几帳面な一面を持ち、父の他界後に始めた三線の古典が現在の癒やしだ。好きな言葉は、一度会えば皆兄弟を意味する「いちゃりばちょーでー」。「鶴見に生きるすべての人が、新時代へ向けて固く結ばれるように」。100周年の記念事業や会館の建て替えなど山積する課題を見据え、優しい眼差しで未来を見つめている。
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