哲学カフェ「タカテツ」を主宰する 堀澤 美佳さん 溝口在住 46歳
「当たり前」を見直す場に
○…溝口在住の自称「しがない事務員」が、東大の哲学家の活動に感銘を受け一念発起。この哲学家の思想に自分の考えをぶつける、という自身が得た新鮮な感覚を、多くの人に体験してもらおうと昨年「哲学対話」をオンライン開催。これを皮切りに活動の幅を拡充し、今年からはリアル開催で実施している。
○…高津区の哲学カフェは「タカテツ」の呼称でファンを増やし、既に8回の開催実績のある「こども向け哲学対話」は早々に参加枠が埋まってしまう程。「なんで勉強しなくちゃいけないの?」「がんばるってどういうこと?」などといった哲学的なテーマに対し自分の考えを言葉で表現する練習の場として認知度を高めている。「自分とは違う考えの人がいることを知る場であり、皆はどう思っているかを聞く場。答えは一つじゃない、ということを子どもたちに知ってもらえれば」と、優しい笑みを浮かべながら話す。
○…現在はフルタイムで働きながら、週末に対話の場を開催している。「私のやりたいことは、異なる立場の人々に参加していただき『聞く』『話す』『考える』場を開催し、各人の軸(価値観)の再認識、自分の当たり前(前提)を見直すきっかけづくりをすることです」とキッパリ。生業にしたいのかを問うと「それでお金が稼げたら理想的ですが、今は稼げていません」と苦笑い。
○…それでも今後は、人気漫画を素材に「仲間とは?」等のテーマでの哲学対話を企画したり、パートナー探しに哲学を取り入れる方法を模索するなどアイデアは枚挙に暇がない様子。「哲学対話では各人の価値観が表れるので、人生の伴侶を探すのに最適だと思いますよ」と語る眼鏡の奥の眼光は、既に次のステージに向けられている。
10月11日
10月4日