「関東の正倉院」とも言われる地元屈指の古刹「影向寺」(宮前区野川本町)で11月3日「聖徳太子堂 移築完成法要・祝賀会」が行われた。当日は、太子堂移設に尽力した関係者など約150人が参列し、歴史を現代に伝える貴重な建物の新たな門出を祝った。
「太子堂」は、聖徳太子の像を祀った仏堂の呼称。高津区にもほど近い影向寺では2015年、橘樹官衙遺跡群を構成する同寺の遺跡が川崎市初の国史跡に指定されたことを契機に、太子堂の移築や境内の整備を発願。2023年から整備が進められ、この間、南北朝時代の建立とされる聖徳太子像の修復も完了。この日の移築法要を迎えた。
関係者150人が参列
当日は、太子堂の移築に取り組んできた実行委員会や、影向寺檀信徒会のメンバー、施工を請け負った事業所の関係者など約150人が参列。鳶職人の面々が、火事場の火の粉を払い、災い回避の祈りを込める「纏(まとい)のふり込み」を行いながら先導して太子堂に入った後、移築完成法要が執り行われた。
「今後の在り方」言及も
法要後は祝賀会が行われ、この中であいさつに立った同寺の加藤浩照住職は、関係各位に感謝の意を述べると共に、今後の「太子堂の在り方」について言及。「願わくば、短歌や俳句の創作や、華道、茶道、日舞、座禅、仏教文化講座などといった、生涯教育の場として活用してもらえれば」と話していた。
川崎市の事業の一環として、この聖徳太子堂は国の重要文化財となっている「薬師如来像」と共に、11月8日(金)から10日(日)まで特別公開される。
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