使わなくなった消防ホースで手提げバッグを作り、注目を集めている人がいる。中原消防団住吉分団の班長を務める田口眞弓さんだ。火災現場や消防訓練などで使われたホースは劣化すると破棄されるため、エコバッグにして有効活用することを思いついたという。
ホースの全長は約20メートル。金具を外して内側のビニールをはがした上で、硬い生地を裁断し家庭用ミシンで縫っていくという作業。もともと裁縫が苦手という田口さんが、一つのバッグを作るのにかかる時間は丸1日。それでも「お世話になった道具。もう一度、日の目を見させてあげたくて」との思いが原動力だ。ホースに刻印された川崎市やメーカーのロゴを生かしたデザインや、持ち手には救助で使う結索ロープを用いるなどの工夫も凝らす。
これまでに作ったバッグの数はおよそ30個。自ら利用している物を除き、全て消防団の仲間にプレゼントしたという。綿や合成繊維で細かく織られた素材だけに、耐久性や防水性に優れ、使い勝手も好評という。団長の三上能樹さんは「何かのお祝いの際に団員へ贈っているようで、私も一つ頂いて大切に使っていますよ」と話し、消防団の連帯感の醸成にも一役買っているようだ。
「現場に女性も必要」
田口さんが中原消防団に入団したのは21年前。当時女性団員は珍しく、田口さん含め5人だけだったという。それが今では20〜60代の17人、市内では130人の女性団員が活動している(今年5月1日時点)。「現場で出会った女性からは、同性だから頼ることができたと安心してもらえることも多い。相手に合わせて対応している」と田口さん。女性団員としての存在意義に手応えを感じている。
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