川崎区・幸区 文化
公開日:2023.09.15
桜本の荒川さん
佐賀県の伝統文化の力に
わら編みの技術を継承
佐賀市蓮池町の見島地区に江戸時代から続く伝統行事「見島のカセドリ」。笠をかぶりみのをまとった神の使いが家々を巡る行事で、ユネスコの無形文化遺産に登録されている。その行事で着用するわらみのを製作できる技術者が高齢化のためいなくなり、今、伝統が途絶えてしまう危機となっている。
わらみの作りの技術を持ち、伝統の継承に協力しているのが、川崎区桜本でわら細工工房を営む荒川美津三さん(94)だ。見島地区の保存会は製作技術を身に着けようと、京都市が行っている伝統芸能文化の保存・継承・普及を目的とした支援事業の協力を得て、講師となる技術者を全国で調査。川崎市立日本民家園の民具製作技術保存会の会員として長年活躍する荒川さんに白羽の矢が立った。
プロジェクトが始まったのは、2019年。コロナ禍で対面ではなく川崎と佐賀をオンラインでつなぎ講習会を重ね、編み方などを学んできた。
対面交流に笑顔
コロナが5類に引き下げられたことを受け、今月7日から9日の3日間、保存会のメンバーは荒川さんのもとを初めて訪問し技術習得を行った。9日、桜本2丁目町内会館では、腰に巻く前みのと呼ばれる部位の製作が行われ、保存会のメンバーは荒川さんの見本を見ながら、真剣な表情で藁を編んでいた。
保存会代表の武藤隆信さん(70)は「手取り足取り親切に教えてもらえた。オンラインの画面越しより分かりやすく覚えることができた。何よりお会いでき交流ができたことをメンバー全員が楽しんでいた。今後も技術を磨いていきたい」と喜んだ。
荒川さんは「わざわざ佐賀から来てもらい、一生懸命教えたつもりだが、満足してもらえたらうれしい。わら編みも一朝一夕にはいかないが、今後も貢献していきたい」と話した。
今後は、オンライン講習会を続け、来年2月の行事で使うみのの修復をしていく予定。また、製作過程は、動画や冊子などに残し、将来にわたり伝承されるよう工夫をしていくという。
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