「経営者に読んでほしい」 城島さんが労組本出版
前財務大臣で、長年、味の素労働組合委員長を務めた城島光力(本名・正光)さんが『労働組合読本』(公益財団法人日本生産性本部 生産性労働情報センター、1890円)の新装改訂版を出版した。「経営者に読んでもらいたい」と呼びかける。
90年の初版から25年の節目を迎えたことやこの10年の労働者を取り巻く環境が変わったことから内容を一部改訂した。
労働運動の起源からの歴史を詳しく紐解いたのがポイントの一つ。日本での労働運動は日清戦争前後に労働組合が結成され、戦後はGHQによる保護、助長を経て発展し、労使の闘争から健全な労使関係の確立、さらには運動へと変容している。中でも59年から60年の三井三池争議を機に労使協議の広がりが定着し、時代の変化をとらえなければ労働運動は行き詰ると同書では訴える。
労働運動はまた、国や時代によって抱えている課題は異なるが「こうした多様性を貫いて自由な人間としての労働者であることを確保しようとする意思、願いがある」と断じる。
城島さんは「労働組合は既得権益という風潮があるが、よりよい社会を形成するための重要な社会的存在だ。松下幸之助はそれを理解していた。企業、経営者に学んでほしい1冊」と話す。
同書は全国の主要書店で販売されている。初版は韓国語、タイ語への翻訳が行われており、今回はミャンマー語への翻訳が検討されている。
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