里親を続けながら、障害者作業所「NPO法人フォーラム幸」の運営に携わる 神戸 加代子さん 戸手在住
里親経験生かし普及目指す
○…親との死別や虐待などから家庭で暮らせない子どもを預かる里親になり今年で35年目を迎えた。短期受け入れの制度も含めると、数えきれない程の子どもたちを受け入れた。「35年の歴史の中、特に感じてきたことは、普通の子とは違う体験をしていること。様々な思いを持つ子が多く、こちらも真剣に向き合わないとできないこと」と里親経験を振り返る。
〇…里親を始めたきっかけは、障害者の娘の存在だった。家の中で友人と遊ぶ姿を見るのが楽しみだったが、友人が帰宅した後は、寂しそうな表情をしていたという。「困っている子どもがいるなら、娘と一緒に育ててみたい」。夫と児童相談所を訪れ、審査や面接をクリアし里親としての資格を得た。1983年には障害者の作業所「NPO法人フォーラム幸」を区内に開所。娘や通所者がマフラーなどを作り、毎年秋にはバザーを開く。
〇…東京都出身、結婚を機に幸区に。約25店舗を展開するクリーニング店の代表を務めるなど、経営者としての顔も。地域のロータリークラブに加入し奉仕活動にも従事。川崎市初の女性会長を務めるなど周囲の信頼は厚い。多忙な日々も、「時間の配分が上手いんですよ。もともと人間が好きで、自分が楽しめば忙しさも忘れる」と笑う。趣味は旅行やカラオケ、社交ダンスと多彩。「家族や仲間と飲食に出かけるのも楽しみ」と日々の生活を謳歌する。
〇…現在はロータリークラブなどで里親の重要性を伝えるなど支援を訴える。里親としての心得は「本当の親として愛情を注ぐこと。時にはぶつかりながらも、頑張って戦ってきたから」と語り、反発していた子も、理解し合えた後は長く「家族」としての交流が続く。核家族化や地域交流の減少が進む今、里親の必要性は増しているという。「人と人とのつながりが必要な時代。子どもたちの笑顔が途切れない社会にしていきたい」
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