川崎の課題解決や魅力発信を市民の力と、独自のセンスで仕掛けていく――。
様々な世代による発想や行動力を集結させ、市内各地で趣向を凝らしたイベントを展開しているのが「カワサキノサキ」という団体だ。武蔵小杉駅構内で青果や加工品を販売する「武蔵小杉駅マルシェ」や、農地での飲食や音楽ライブで地域に向けて畑の価値をPRした「農園フェス」、多摩川でアウトドアの要素を盛り込んで防災を学ぶ「TAMAGAWA CAMP」など、凝り固まりがちな内容にカジュアルさやオシャレな要素を加味した催しに変え、市内外からも注目を集めている。
元々は川崎駅前でのボランティア清掃を行っていた田村寛之さん(37)が、地域活動を通じて知り合った数人と出資金を出し合って昨年立ち上げた一般社団法人がカワサキノサキ。「地域とつながればつながるほど、この街には色んな要素や人材が埋もれていて、それを形にしようと考える人がいなかった。それをまずは自分たちで表に出そうと思いました」と田村さん。
以前から着目していた、地元産の野菜とそれを作る農家の魅力を発信することや、大都市の防災対策をテーマに活動を継続。今では関わるメンバーは10代から50代まで、20人を超える。
情報発信メディアも開設
8月中旬からは自分たちの活動に加え、川崎南部や中部を中心に、様々な地域資源を発信するネットメディア「川崎経済新聞」をスタートさせる。今後は「伝える」取り組みもカワサキノサキのテーマとなっていくという田村さん。「何をやるにもまずは自分たちが楽しみながらというのが前提です。無理なく活動の幅を広げながら、カッコよく川崎の街をデザインしていきたい」と語った。
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